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コーポレート・ガバナンス

EHSマネジメント

久光製薬は、環境(Environment)と健康(Health)、安全(Safety)を、一体的に管理・運営するためにEHSマネジメントシステムを構築しています。
地球環境保全ならびに従業員および地域社会の安全衛生の向上に貢献することは、当社の経営理念と合致するものであり、私たちの重要な努めと考えています。

※EHS:Environment, Health and Safety(環境ならびに安全衛生)

久光製薬のEHS理念

私たちは、「世界の人々のQOL向上を目指す」経営理念のもと、「貼付剤による治療文化」を世界に広める事業活動を通じて人々の健康づくりに積極的に取り組んできました。
地球環境保全ならびに従業員及び地域社会の安全衛生の向上に貢献することは、当社の経営理念と合致するものであり、私たちの重要な努めです。
私たちは、地球社会の一員として環境保全及び安全衛生の向上のための活動に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

担当取締役のコミットメント

久光製薬は2018年より、これまでのISO14001(環境)に加えて労働安全衛生の向上のためにISO45001の認証取得に着手しました。現在はEHS管理委員会がマネジメントシステム全体を効率よく管理・運営しています。当社が、EHS統合で目指したものは、業務プロセスに合致したマネジメントシステムの構築です。活動範囲と責任が明確化された上で、経営層から従業員までが一体感を持って活動に取り組みます。
ISO45001の認証取得は、安全で安心して働ける職場環境づくりを加速させ、相乗効果として労働災害の低減効果に寄与することは、ひいては労働生産性の向上にもつながります。
久光製薬は、EHS理念の達成のため、リスク評価と環境と安全衛生のPDCAサイクルを効果的に実施し、地球環境保全および従業員の安全衛生の向上に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

取締役 生産環境本部 本部長
EHSトップマネジメント
鶴田敏明

EHS方針

EHS方針達成のため、九州本社および宇都宮工場においてEHS目的・目標を設定し、全部門従業員をあげてEHSマネジメントを推進します。また、EHS目的・目標を定期的に見直し、必要に応じて改定し、継続的な改善を行います。

九州本社及び宇都宮工場 
環境安全衛生(EHS)方針

【環境方針】

  • 1.省資源、省エネルギー、廃棄物削減を積極的かつ果敢に推進します。
  • 2.原材料、機器、設備の購入にあたっては、環境への影響を十分に配慮します。
  • 3.商品の開発、改良にあたっては、環境にやさしい商品づくりを目指します。
  • 4.環境関連の法規及び協定等を遵守するとともに、環境の汚染防止に努めます。
  • 5.地域社会における環境保全活動に積極的に参画し、地球環境の保護に貢献します。
  • 6.環境保全活動の成果を確実なものにするため、従業員の理解と認識を高める教育を行います。

【安全衛生方針】

  • 1.従業員が、安全で安心して働ける環境づくりを優先課題とし、従業員がいきいきと働く、「働きがいのある職場」を目指します。
  • 2.研究開発、生産、営業をはじめ、すべての事業活動において、安全衛生上のリスク低減活動を積極的に推進し、労働災害等の事故防止と従業員の疾病の予防・健康の保持増進に努めます。
  • 3.商品の開発、改良及び技術開発にあたっては、安全衛生に配慮します。
  • 4.労働安全衛生関連の法規及び協定等を遵守するとともに、労働安全衛生の管理水準の向上に努めます。
  • 5.従業員参加型の内部コミュニケーションを推進するとともに、情報公開等の外部コミュニケーションに努めます。
  • 6.自然災害等の緊急事態に備えた緊急時対応訓練を継続的に実施します。
  • 7.地域社会の安全衛生の向上に貢献します。
  • 8.安全衛生活動の成果を確実なものにするため、従業員の知識向上と理解を高める教育を継続的に行います。

EHSマネジメント体制

久光製薬は、環境と労働安全衛生を管理するために、EHS管理委員会および安全衛生委員会を設置し、これらの委員会を統括管理するため、統括EHS管理責任者を設置しています。定期的に委員会を開催し中期目標設定および実績報告、リスクと機会の抽出、マネジメントシステムの運用等について協議しEHSの効率的な運用に努めています。

EHSマネジメント体制

EHSの取り組み

環境への取り組み
社会的な環境課題である気候変動の緩和やサーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進などに対して、当社は、省資源、省エネルギー、廃棄物削減などを単年・中期目標として掲げ、環境保全に取り組んでいます。

労働安全衛生への取り組み

  • ・労働災害を未然に防止するために、職場における危険源特定やリスクアセスメントなどによるリスク管理を推進しています。
  • ・従業員の健康と働きやすい職場環境づくりのために、職場巡視による作業環境の改善や従業員の有給取得の推進を行っています。
    環境と同様に、単年・中期目標を設定し取り組んでいます。

EHS目標および実績(2019年度)

2019年度目標(単年)および2021年度目標(中長期)を設定しました。2019年実績は、省資源、省エネルギーなど主要なテーマについておおむね目標を達成しました。今後も引き続き、パフォーマンスを重視した活動を展開していきます。

EHS方針 目的(中期目標)(2021年度) 単年度目標(2020年度) 2019年度主な実績
省資源 ①カイゼン活動のテーマによる省資源化を推進する。
②水資源の効率的な使用を推進する。
①今期の活動において省資源化に繋がるテーマを1テーマ以上推進する。(目標を達成したテーマの割合80%以上)
②水資源の効率的な使用を推進する。
①商品のロス低減等の省資源化に繋がる20テーマを推進した。
②研究所における熱源の運用方法の変更により水使用量を前年度比で30%低減した。
省エネルギー ①九州本社及び宇都宮工場のエネルギー原単位を2018年度実績に対して3%以上削減する。
②CO₂排出量を2013年度の実績に対して21%削減する。
③エネルギー効率を向上させる取り組みを推進する。
①九州本社及び宇都宮工場のエネルギー原単位を前年度実績に対して1%以上削減する。
②CO₂排出量を2013年度の実績に対して27%削減する。
③エネルギー効率を向上させる取り組みを推進する。
①前年度実績に対して4.4%削減した。
②2013年度の実績に対して26.1%削減した。
③2019年9月に清原スマートエネルギーセンターからの購入に切り替えた。
廃棄物削減 カイゼン活動のロス低減テーマに従い廃棄物を削減する。 ①工場廃棄物を前年度比10%削減する。
②今期のカイゼン活動のロス低減テーマに従い活動する。
カイゼン活動のロス低減12テーマに従い活動した。
グリーン調達 環境負荷の小さい原材料、建築資材及び設備機器の使用及び運送サービスの利用を推進する。 ①環境負荷の小さい原材料、建築資材及び設備機器の使用を推進する。
②輸送で発生するCO₂排出量の削減を推進する。
③原材料の購入先に対して、環境に配慮した事業活動を行っているか継続して調査する。
①事務用品のグリーン購入率の平均は
99.6%であった。
②九州本社及び宇都宮工場でトラックから船舶へのモ-ダルシフトの割合を前年度比でそれぞれにより2%増加させ、315tのCO₂排出量を削減した。
③製造委託先の調査を実施し、状況を確認した。
環境・労働安全衛生関連の
法規等の遵守と環境汚染予防
環境・労働安全衛生に係る法令を遵守するとともに、環境測定データの自主基準違反ゼロを維持する。 環境・労働安全衛生に係る法令を遵守するとともに、環境測定データの自主基準違反ゼロを維持する。 環境測定データの自主基準違反はゼロであった。
環境にやさしい商品づくり ①商品の研究開発過程において、環境影響への評価を行い、環境にやさしい商品づくりを推進する。
②環境に配慮した商品仕様設計を推進する。
①商品の研究開発過程において、環境影響(省資源、分別、有害物質の不使用等)への評価を行い、環境にやさしい商品づくりを推進する。(2件以上)
②エコ仕様商品への切替えを推進する。
①研究開発段階で商品軽量化など3件の省資源につながる商品設計を行った。
②容器の軽量化を行い、使用する原料を削減した。
地域社会における
環境保全活動
地域社会における環境保全活動及び生物多様性保全を推進する。 ①地域社会における環境保全活動を実施する。
②生物多様性保全を継続する。
③久光製薬株式会社ほっとハート倶楽部を通じて環境団体へ寄付する。(5件以上)
①事業所周辺地域の美化作業の実施および自治体主催の美化作業への参加。
②③「久光製薬株式会社ほっとハート倶楽部」を通じてNPO法人等の環境団体へ寄付を行い環境および生物多様性保全活動を実施した。
環境・安全衛生
マネジメントシステムの
継続的改善
EHSマネジメントに関する運用の改善と効率化を推進する。 ①EHSマネジメントシステムの定着化と効率化を推進する。
②EHS監査による運用改善を推進する。
①環境マネジメントシステムをベースに労働安全衛生の規定を追加した「EHSマネジメントマニュアル」を策定して共通ルール化を図ることで業務の効率化を図った。
②年2回(5月と9月)にEHS監査を実施した。
労働災害の防止 労働災害を防止する為、危険源の特定、リスクアセスメント、リスク管理を推進する。(度数率:0.3以下、強度率:0.003以下) ①危険源の特定とリスクアセスメントを継続して実施し、リスク低減活動を推進する。
②安全統一ルールに基づいた巡視を定期的に実施し、労働災害低減活動を推進する。
①危険源の特定とリスクアセスメントの手順の見直しを行い、リスク低減活動を推進した。
②化学物質のリスクアセスメント手順の見直しを行い、リスク低減活動を推進した。
従業員の健康づくりと
安心して働ける
職場環境づくりの推進
従業員の心身の健康づくりと安心して働ける職場環境づくりを推進する。 ①職場環境及び作業環境の改善を行う。
②残業の削減と有休取得の推進を行う。
①②毎週水曜日にノー残業Dayの社内放送を実施。
ワクワク休暇取得の管理も実施し、未取得者には取得を促す。(目標達成率93%)
環境及び安全衛生の
教育訓練の推進
従業員の意識向上のため、環境及び安全衛生に関する教育および啓蒙活動を積極的かつ計画的に実施する。 ①安全管理及び衛生管理に関する教育を計画的に実施する。(各10テーマ)
②環境に関する教育を計画的に実施する。
教育プログラムを作成し、計画的に教育訓練を実行した。
(熱中症、緊急事態・環境労働衛生・環境、リスクアセスメントなど)

2019年度達成実績

2019年度のEHS目標に対する達成実績は、目標件数153件、達成件数140件となり、目標達成率は92%でした。
本年度は、労働安全衛生の目標が加わり、目標件数は前年度より47件増加、達成件数は前年度より40件増加しました。

2017年度 2018年度 2019年度
EHS目標件数 118 106 153
達成件数 110 100 140
達成率(%) 93 94 92

監査

EHSマネジメントシステムが、ISOの要求事項に適合して作成され、かつ適正に運用されていること、関連する法令が順守されていること、マネジメントシステムが当社の活動に対して有効なパフォーマンスとして効果をもたらしていることを中心に監査を実施しています。

外部監査 ISO14001および45001のマネジメントシステムの適正運用については、外部の認証機関が審査しています(年1回実施)。
内部監査 ISO14001および45001で定められた社内規定、パフォーマンスに対して自己点検を実施し、システムの適合性や順守状況を確認しています(年2回実施)。
外部の認証機関による審査のようす
外部の認証機関による審査のようす

マネジメントレビュー(経営層による見直し)

トップマネジメントによる成果の見直しを目的として、マネジメントレビューを実施しています。
トップマネジメントは、組織体制の内外から得た監査結果やお客さまからのニーズなどを基に、当社が目標を達成するために実施したさまざまな活動とそのパフォーマンスに対して、妥当性・有効性を判断し、マネジメントシステムの継続的な改善を図っています。

EHSパフォーマンス評価

当社の具体的な取り組みに対するパフォーマンス評価は、当報告書「従業員とのかかわり」、「環境とのかかわり」に記載していますので参照ください。

VOICE

ISO45001認証取得について
EHS管理委員会事務局より

労働安全衛生の管理水準をさらに向上させ、従業員の労働災害を防止することを目的としてISO45001の認証取得に取り組みました。
マネジメントシステムの構築に当たり考慮したことは、1999年より運用実績のある環境マネジメントシステム(ISO14001)と統合し、EHSマネジメントシステムとして効率化を図ることです。さらに、その効果として、環境と安全衛生双方から課題に対してアプローチすることが可能となり、相乗効果によるパフォーマンス向上にも期待しました。
一方で、パフォーマンス向上には、従業員一人ひとりが自発的に考えて継続的な改善に取り組む姿勢が必要だと思いますが、外部審査を入れることで、従業員の意識改革と改善の手掛かりになると考えています。
従業員が安全で安心して働ける環境づくりを推進するために、EHSマネジメントシステムのさらなるレベル向上を目指していきます。

信頼性保証部 本田 芳朗
鳥栖工場品質管理部
品質試験課 課長
林 泰寛

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