サステナビリティ
社会
地域社会とのかかわり
久光製薬は、事業活動に加え、さまざまな社会課題の解決に取り組むことが重要であると考えています。地域社会に密着したNPO法人や市民団体を人的・物的資源で支援し、協働することで少しでも社会課題の解決につなげたいと考えています。また、財団の支援を通じて、医学・薬学の振興や啓発を図っています。
佐賀県・鳥栖市とのかかわり
久光製薬は、1847年(弘化4年)、佐賀県鳥栖市で創業して以来、当地を拠点として日本全国、そして世界各国へと商品をお届けしてきました。創業の地であり、事業戦略上も重要なエリアである佐賀県・鳥栖市を重点エリアと考え、地域活性化に取り組み続けてまいります。
「SAGAスポーツピラミッド構想」
(以下SSP構想)を推進
当社は、佐賀県から世界に挑戦するトップアスリートの育成を通じ、「スポーツの力」を生かした人づくり、地域づくりを進めることを目指すSSP構想に賛同し、2021年5月、佐賀県および佐賀県スポーツ協会と連携協定を締結しました。本協定に基づき、当社が保有する寮を鳥栖市内の中学校および高等学校に通学するアスリートへ提供しています。
「ハイタッチプロジェクト」
~ハイタッチの数だけ、佐賀の未来に手当てのチカラ~
SSP構想の推進に寄与する取り組みとして、2024年4月~2025年2月の期間、『「ハイタッチプロジェクト」~ハイタッチの数だけ、佐賀の未来に手当てのチカラ~』を実施。イベントに参加いただいた皆さまのハイタッチ数につき9円をSSPに寄付する取り組みで、総額1,015,605円をSSPに贈呈しました。本プロジェクトは鎮痛消炎プラスター剤「サロンパスⓇ」発売90周年を記念して、サロンパスⓇのサンプリングイベント等と連動。全国11か所の会場にて実施いたしました。各会場でハイタッチをしてくださった方は、総勢112,845名です。寄付金はSSP構想の推進に活用される予定です。
鳥栖市ゼロカーボン推進パートナーに認定
当社創業の地である佐賀県鳥栖市は、2050年度までにCO₂排出量実質ゼロの実現に向け、2023年12月「鳥栖市ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。「鳥栖市ゼロカーボン推進パートナー」は本宣言の趣旨に則り、脱炭素社会の実現に資する取り組みを実施する事業者または団体をパートナーとして認定するものです。「環境経営の推進」をマテリアリティの1つとしている当社は、本趣旨に賛同し、2024年10月に鳥栖市ゼロカーボン推進パートナーの認定を受けました。鳥栖市や地域の皆さまとともに、ゼロカーボンシティの実現に向けて取り組みを進めてまいります。
JLPGAステップ・アップ・ツアー
「サロンパスⓇレディスオープン」
当社の代表商品である「サロンパスⓇ」は2024年で発売90周年を迎え、世界30か国以上の国と地域で愛用されるまでになりました。これもひとえに創業の地である佐賀県の皆さまをはじめ、当社を支えていただいているお客さまのおかげであると感謝しております。この感謝の気持ちを、経済的、社会的、文化的な貢献で形にしたいとの思いから、2023年10月に、JLPGAステップ・アップ・ツアー「サロンパスⓇレディスオープン」を当社創業の地である佐賀県で初開催いたしました。
サロンパスⓇアリーナの活用
2023年にチームの練習拠点として竣工した「サロンパスⓇアリーナ」は、非常用発電機や受水槽など、避難所としての機能を想定して建設しています。
当社とSAGA久光スプリングス、鳥栖市が締結した「災害時における避難所の提供に関する協定」(2023年12月)は、災害発生時に三者が相互協力することにより、被災地および被災地域における復旧活動の最大化を図ることを目的としています。
本協定に基づき、鳥栖市で大規模な地震、風水害などの災害が発生した場合、鳥栖市の協力要請に基づいて、「サロンパスⓇアリーナ」を住民の避難所および他自治体から派遣される応援職員の滞在場所として提供いたします。
地産地消の商品開発
●LifecellaⓇさが美人Ⓡ
久光製薬の化粧品ブランドLifecellaⓇ(ライフセラⓇ)の「さが美人Ⓡシリーズ」は、創業の地「佐賀」における“地産地消”をコンセプトとした「佐賀県ご当地コスメ」です。「佐賀の恵みを無駄なく使いたい」「佐賀産の良い成分をもっと広めたい」「佐賀に住む人や佐賀を訪れた人に使って実感してもらいたい」という想いから、県・市・県内企業の皆様と連携して、“佐賀県産”にこだわって開発し、現在、佐賀エリアを中心としたお土産ショップや道の駅などで販売しています。
また、2022年3月に新発売した「さが美人Ⓡアスパラガス(ジェルシートマスク/化粧水)」や「さが美人Ⓡ有明海苔(ジェルシートマスク/化粧水)」は、通常出荷時に廃棄されてしまうアスパラガス・有明海苔の端材を有効活用しており、エコにも配慮したコスメとなっています。
(ジェルシートマスク/化粧水)
(ジェルシートマスク/化粧水)
その他の佐賀県・鳥栖市とのかかわりの例
| 活動 | 内容 |
|---|---|
| さが桜マラソンへの協賛 | 大会へ協賛し、当日参加のランナーに対して 「エアーⓇサロンパスⓇ」をサンプリング |
| 久光製薬鳥栖市民講座 開催 | 佐賀県鳥栖市で、幅広い分野の著名人を講師として招聘した講演会を主催。 生涯学習や教養文化へ触れる機会を提供 |
| 秋の茶会 開催 | 茶道文化の発展と振興を目的に、 裏千家淡交会佐賀支部との共催で開催 |
| 佐賀インターナショナル バルーンフェスタへの協力 |
大会への協賛および会場でのサンプリング |
| 出前授業の実施 | 鳥栖市内の小学校や鳥栖市立図書館で、 貼り薬の歴史やSDGs等について地域の子どもたちに紹介 |
スポーツ支援
様々なスポーツイベントへの協賛を通じて、各種スポーツの振興と人々の健康づくりを応援しています。ゴルフの国内公式戦「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」への特別協賛や、当社創業の地である佐賀県でのJLPGAステップ・アップ・ツアー「サロンパスⓇレディスオープン」の開催をはじめ、バレーボールネーションズリーグや東北楽天ゴールデンイーグルス サロンパスⓇナイター 2025などで協賛を行いました。さが桜マラソンや東京マラソンなどのマラソン大会・イベントでは、参加ランナーの皆さまに対して「エアーⓇサロンパスⓇ」のサンプリングを通して、筋肉疲労のケアを支援しております。久光製薬は「手当て」のチカラで、アスリートやスポーツを楽しむ多くの方をはじめとした皆さまをサポートしてまいります。
SAGA久光スプリングス
1948年に社内のクラブ活動として発足した女子バレーボール部は、「SAGA久光スプリングス」(2024年7月1日にチーム名を変更)として、国内トップリーグであるSV. LEAGUE WOMENに所属し、国内外の大会に参加しています。
次世代スポーツ選手の育成にも力を入れており、子どもたちに向けて、SAGA久光スプリングスの選手等によるバレーボール教室、スプリングスアカデミーを開催しています。
2023年5月には新たな練習拠点「サロンパスⓇアリーナ」を佐賀県鳥栖市にオープンしました。充実した世界レベルの設備を整え、一般の方にもスポーツやイベント等でご使用いただけるトレーニングアリーナです。
2024年度は、主に佐賀県内の約60,000名が当アリーナを使用し、地域における健康増進、スポーツを通じた交流の機会を創出することに寄与しました。
今後、佐賀県、鳥栖市のイベントへの参加やバレーボールの普及活動を通じて、豊かで活力のある街づくりに貢献してまいります。今後の活動にぜひご期待ください。
自動車安全運転への取り組み
久光製薬では、環境に優しく安全運転にも繋がるエコドライブ10を推進・実践しています。また、営業車両へのテレマティクス・ドライブレコーダーの搭載や、自動車学校と連携した運転研修などの実施を通じ、社員の自動車安全運転に対する意識を高め、事故防止に努めています。
福祉マルシェの定期開催
久光製薬ではDE&Iに対する理解促進や、障がいのある方の自立した生活に寄与することを目的に、福祉マルシェを定期的に開催しています。本イベントでは就労支援B型事業所をはじめとした福祉事業所と協働し、事業所で製造されたお菓子やパンなどの加工品、また野菜や果物などの農作物を、事業所の皆さんに直接販売していただいています。事業所の皆さんの販売の場としても活用いただいています。
海外での取り組み
●久光インドネシアでのスメル山噴火による避難者へのサンプル寄付
久光インドネシアでは、スメル山の噴火により避難生活を余儀なくされた395名に対して2024年5月に現地のボランティア会社・団体を通じて、手紙を添えて商品サンプルの寄付を行いました。避難生活の一助となるよう、肩こり・腰痛対策としてサロンパスⓇを、発熱・暑さ対策としてバイバイフィーバーⓇを提供しました。
●台北支店でのデング熱対策を含めた商品説明
台北支店では、2024年1月に地域の幼稚園にて園児を含めた幼稚園の皆様に忌避剤のByeBye-BUGⓇのサンプルを配布するとともに、保護者の方々にもデング熱対策を含む商品説明会を行いました。台湾で流行しているデング熱の対策をお伝えすることで、地域のお客様の感染防止の意識向上に貢献しました。
●久光ベトナムでのサロンパスⓇの空き箱回収を通じた支援活動
久光ベトナムでは、全国のドラッグストアにサロンパスⓇの空き箱回収ボックスを設置し、不要になった空き箱を回収する取り組みを実施しました。回収した空き箱はリサイクル業者で換金し、その資金でベトナムの中秋節で食べられる月餅を購入し、ハノイにある小児病院へ寄贈しました。
●久光マレーシアでのサロンパスⓇデーのイベント実施
久光マレーシアではサロンパスⓇデーイベントとして2025年5月18日のKL Car-FreeマラソンイベントでサロンパスⓇジェットスプレーの吹き掛けとサロンパスⓇAeのサンプリングを実施致しました。参加者からは「疲れたから助かる」などのお声をいただきました。またバイバイフィーバーⓇデーには、幼稚園でのサンプリングを実施し、地域貢献活動を通じて、参加者の健康増進および地域社会との交流を深める機会となりました。
●日本と台湾・タイをつなぐ医療従事者向けWebセミナーの開催
日本と海外の医療従事者を対象とする同時Webセミナーを開催しました。2024年12月には日本と台湾をつなぎ、過活動膀胱治療をテーマに、2025年1月には日本とタイをつなぎ、アレルギー性鼻炎治療をテーマに、双方の国のKOL※による講演およびパネルディスカッションを行いました。日本、台湾、タイの医療従事者に聴講いただき、双方の国における疾患の病態や治療について、理解を深めるとともに、治療法の選択肢の一つである貼付剤の利点に関する情報提供を通じて、患者さんへの啓発にもつながる有意義な機会となりました。
※KOL:Key Opinion Leader 特定の疾患領域において、診断・治療・研究をリードする高い専門性を持つ医師
久光製薬株式会社ほっとハート倶楽部
久光製薬は、マッチングギフト制度「久光製薬株式会社ほっとハート倶楽部」を、創業160周年の記念事業の一環として設立しました。当倶楽部の趣旨に賛同した役員および従業員による拠出金と、当社から同額の拠出金を運営基金として、国内外で活動しているNPO法人や市民団体を支援しています。2024年度は自然環境保全や子育て支援、国際協力等様々な活動を行う全国39団体に寄付を実施しました。2007年の設立当初からこれまでに延べ643団体、総額6,430万円を寄付しています。
●2024年度寄付金贈呈先(一例)
| 寄付先 | 主な活動内容 |
|---|---|
| 一般社団法人埼玉県里親会 | 里親登録をした里親の支援、 社会的養育を必要とする子どもの支援 |
| 特定非営利活動法人ここ | 青少年の居場所づくり |
| 特定非営利活動法人 創作クラブGrian |
まちづくりの推進や子どもの健全育成 |
| 特定非営利活動法人九千部クラブ | 荒廃森林や農地の保全、 管理および環境教育 |
| 特定非営利活動法人 被害者支援ネットワーク佐賀VOISS |
犯罪被害者支援 |
日本赤十字社との連携
日本赤十字社と連携し、様々な社会貢献活動に取り組んでいます。血液センターの献血バスを招き年に2回実施している献血活動には、毎年多くの従業員が参加しています。(実施拠点:九州本社および宇都宮工場)また毎年、年末には全国16か所で海外たすけあい街頭募金を実施しています。2024年度は総勢297名の従業員が参加し、集まった募金は全額日本赤十字社へ寄付しました。2020年1月には「災害時における支援協力に関する協定」を締結。この協定により、国内外で災害が発生した際の物資提供や義援金による支援を、より迅速に行うことが可能になりました。
| 支援活動 | 概要 |
|---|---|
| 海外たすけあい 街頭募金 |
2024年12月1日から12月21日の間、 全国16か所で総勢297名の社内ボランティアによる募金活動を実施し、 日本赤十字社へ寄付しました。 |
| 献血活動 | 九州本社および宇都宮工場では年に2回、 血液センターの献血バスを招き、献血活動を実施しています。 毎年多くの従業員が積極的に活動に参加しています。 |
| 国内外の 災害支援活動 |
・令和6年能登半島地震による被害の支援のため、義援金1,000万円 (久光製薬900万円、久光製薬株式会社ほっとハート倶楽部100万円)を、 社内募金と合わせて日本赤十字社へ贈呈しました。 ・令和7年9月からの大雨による災害に対する支援のため、 支援物資としてHisamitsuⓇリフレッシュボディシートを 日本赤十字社へ無償提供しました。 |
財団支援
●公益財団法人
中冨健康科学振興財団
当財団は、久光製薬元会長・故中冨正義氏による私財の提供および久光製薬株式会社からの創業140周年を記念した資金提供により設立されました。健康増進に関する科学研究助成を行うことにより、国民の健康の維持・推進を図り、活力ある豊かな経済社会の実現に寄与することを目的として活動しています。
2024年度は83名が助成金の、2名が振興賞の対象となり、総額1億2,550万円を贈呈しました。
●公益財団法人 中冨記念財団
久光製薬創業145周年記念事業の一環として、1995年に設立された「中冨記念くすり博物館」(佐賀県鳥栖市)は、2010年から当財団にて運営しています。佐賀県製薬業の礎となった薬に関する産業文化を後世の人々に伝え、薬の知識や歴史・文化を学べる場として皆さまに親しまれています。また、スパイスづくりをはじめ薬研(やげん)を用いた体験教室も定期的に開催しております。
●公益財団法人 中冨スポーツ振興財団
当財団は、佐賀県内のスポーツ団体が行う活動、スポーツ大会、選手および指導者の育成に対する助成を行い、スポーツの普及・振興、競技力の向上を通じて、心身の健全な発達および豊かな人間性の涵養に寄与することを目的としています。2019年7月に一般社団法人中冨スポーツ振興財団として設立し、2020年3月に公益財団法人の認定を取得しました。
2024年度は、26団体26事業に合計10,737,000円の助成を行いました。
宇宙生活/地上生活の課題解決商品が
国際宇宙ステーションに搭載
「FixpaceⓇ(フィクスペース)」
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公表した「Space Life Story Book」では、宇宙での生活課題の一つとして、無重力空間における「物の紛失・散乱を減らすこと」が挙げられています。その課題を解決するため、当社が永年培ってきた貼付剤の技術を用いて壁やテーブルに貼付するだけで、ボールペンやナイフ・フォークなどの食器まで簡便に固定することができる「FixpaceⓇ」の開発を行いました。「FixpaceⓇ」は2022年10月6日に打ち上げられた若田光一宇宙飛行士が搭乗したクルードラゴン宇宙船(Crew-5)に搭載されました。また2025年3月15日と2025年8月2日に打ち上げられた大西卓也宇宙飛行士および油井亀美也宇宙飛行士が搭乗したクルードラゴン宇宙船(Crew-10、Crew-11)にも搭載されました。
「OdorleshipⓇ(オードレシップ)」
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公表した「Space Life Story Book」では、宇宙での生活課題の一つとして、「閉鎖隔離空間でのごみ問題、におい対策」が挙げられています。その課題を解決するため、久光製薬が長年培ってきた貼付剤の技術を用い「OdorleshipⓇ(オードレシップ)」の開発を行いました。「OdorleshipⓇ (オードレシップ)」はJAXAが行った「第2回宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策のアイデア募集」において、「OdorleshipⓇ」が選定され、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されることが決定しています。
キッザニア福岡「医薬研究所」
パビリオン出展
久光製薬はKCJ GROUP 株式会社(以下、KCJ GROUP)が企画・運営する「キッザニア福岡」において、当社がオフィシャルスポンサーとなる「医薬研究所」パビリオンを2022年9月21日にオープンしました。当社とKCJ GROUPは、「医薬研究所」パビリオンでの体験を通して、こども達に研究を重ねて開発された商品が世の中に出る「モノづくり」の楽しさを肌で感じてもらうとともに、本体験が実社会で生きる力を育むための学びの一助となることを期待しています。









