サステナビリティ
従業員とのかかわり
職場環境・労働安全衛生
久光製薬は、新たな価値を創出するため、多様な人材の確保、育成および従業員の満足度向上を目指した人材開発に取り組み、継続的にイノベーションを創出し続けていく組織づくりを目指します。また、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、労働生産性を向上させる職場づくりを目指し、社内制度の整備や、福利厚生の充実に努めています。
雇用
久光製薬では、行動指針において人種、国籍、民族、性別、年齢、信条、宗教、障がい、疾病、社会的身分による不当な差別やハラスメントを排除することを定めています。
全ての従業員に対して、キャリアアップに関する積極的な対話を心掛け、仕事にチャレンジする機会を提供しています。全従業員でお互いを認め、一人ひとりが能力を最大限に発揮し、活躍し続けることのできる組織づくりに努めています。
●多様な人材の活躍
久光製薬は、企業の根幹が「人」にあることを認識し、事業活動を通じて従業員の能力発揮や、自己実現を図ることが重要であると考えています。
経歴や文化的背景、ライフステージが異なる従業員それぞれの個性を尊重し、多様な人材の活用を促進することで、今後の環境変化に迅速に適応できる組織づくりを進めています。さらに、管理職研修をはじめ社内研修の場でも多様な人材活用の重要性について啓発し、ダイバーシティの理解を深めています。
●女性活躍の推進
企業の持続的な成長と企業競争力強化のために、女性の活躍推進は欠かせないと考えています。男女を問わず従業員それぞれがライフイベントに応じた働き方を実現し、活躍し続けることのできる環境整備に取り組んでいます。結婚や出産、育児、介護等、ライフイベントと仕事を両立することのできる環境を整えるとともに、管理職研修や階層別研修などの社内研修で両立支援制度の周知を行うことで、多様な働き方に対する理解や意識の向上を図っています。
●障がい者雇用
多様な人材活用の一環として、障がい者雇用を促進しています。製造現場での軽作業だけでなく、企画部門や研究所などにも雇用を広げ、能力に応じて活躍できる業務の創出に努めています。また、多目的トイレの設置や段差の解消など職場環境を整備するとともに、職場でのコミュニケーションを密にとることで、働きやすい環境づくりに努めています。
今後も、従業員の個性や能力に応じて活躍できる職場環境づくりに積極的に取り組んでまいります。
●高年齢者雇用
従業員が生涯生活設計を考え、充実したセカンドライフを送るためのきっかけづくりとして、57歳を迎えた従業員を対象に「ライフプラン研修」を実施しています。また、60歳の定年を迎えた社員を対象に再雇用制度を設け、希望する社員を最長65歳まで雇用しており、今後は70歳までの雇用を見据え、安心して就労できるよう、支援体制を整えていきます。
VOICE
やる気とチャレンジ精神を
大切にしています
2017年、2019年に出産後、3年半の間産休・育休を取得しました。当時の勤務地である東京・福岡の上司や仲間たちの支えもあり、結婚の際や復帰後も快く迎え入れてくださいました。
妊娠中・出産・産後・復帰後と初めて尽くしで苦労した経験もありましたが、現在は仕事と家庭を両立するために夫と協力して決めたことは必ずやり遂げ、チャレンジしてみる猪突猛進さを心掛けています。仕事や育児で時には失敗もありますが、自分がやりたいことや相手に協力して欲しいことを素直に伝えて話し合うことが大切だと日々感じております。
仕事においては、コロナ禍ではありますが、MRの原点の「行く・会う・話す」の精神を忘れずに、ICT機器を駆使するなどして日々邁進しています。
後輩の女性社員は先輩のキャリアをよく見ています。当社は産休・育休は最長2年間取得できますし、上司との連絡も密です。復帰後はブロック内の担当エリアの考慮もしてもらえるので、やる気があればチャレンジさせてもらえる大変働きやすい環境です。

新藤 優理花
人材開発
当社は「人材は磨いてつくり上げるもの」という考え方の下、長期的視点に立ち、経営理念を実現するための原動力である社員の能力向上を目指した研修制度を設け、組織的、計画的に人材育成に取り組み、経営戦略と関連付けたHRM(人的資源管理)を推進しています。
また、モラール・サーベイ(従業員満足度調査)の結果を定量的に集約・分析し、各種研修プログラムに反映しています。
●管理職の育成
管理職に求められる業績目標の達成に向けての人材育成のため、管理者自身の意識改革や動機付けという点を重視してカリキュラムを組んでいます。組織を管理するのみではなく、より高度なスキルとして、各事業分野の課題を現場レベルに落とし込み、的確に状況を判断しながら運営していくという経営戦略を実現するための能力開発に努めています。
新任管理職を対象とした研修をはじめとして、管理職全員を対象とする研修や選抜型の研修など、目的とニーズに合わせた研修を行っています。
また、女性管理職の育成にも努めており、2013年よりヒサミツ・ウィメンズ・リーダー(HWL)研修を実施しています。各部門から推薦された従業員が、コミュニケーションやリーダーシップ、チームマネジメント、セルフマネジメントやキャリアビジョンなどの知識やスキルを、研修を通じて修得します。
2020年度の当社における女性管理職比率は、2017年度と比較して1.5倍に増加しています。
●新人社員の育成
初年度は、新人研修として、長期的な視点に立ち、社会人として成長するための「トレーナー制度」などのサポートや与えられた職務を確実に遂行できる能力を身に付けるための研修を行っています。
●グローバル人材の育成
グローバルな事業展開を行うために、海外拠点での従業員採用を拡大しています。現地での採用後、人事異動や研修を通じて、日本の文化や社員に対する理解を深めることで、グローバルコミュニケーションを図っています。久光製薬グループにおける海外従業員比率は、2021年2月現在40%となっています。
また、海外での競争力を強化するため、グローバルに活躍できる人材育成を推進しており、英語研修や異文化コミュニケーション、マネジメントスキルなどの取得・向上を目指した研修の機会を提供しています。全従業員に対してTOEICの受験を支援する「グローバルチャレンジ」制度などを活用し、従業員の英語の自己学習を支援するとともに、将来のグローバル人材の掘り起こしを実施しています。
人事評価
日々の仕事への意欲の向上と自己成長を図るため、個人の成長度(行動管理)と会社に対する貢献度(目標管理)の2つの観点から、個々の活動を評価しています。
行動管理については上司との面談を通じて、毎年高い成果を生み出すための「行動を安定して発揮しているか」を確認しています。また、目標管理についても評価期間のはじめに上司との面談をもとに目標を設定しています。期間終了後には自己評価を行い、上司との面談を通じて目標達成の度合いや今後の取り組みについて話し合い、さらなる成果の向上を目指します。
これらの評価は従業員の処遇に反映され、最終結果を従業員にフィードバックすることで、仕事に対する達成感につなげています。
ライフイベントに関する制度
さまざまなライフイベントを迎えた従業員が、男女問わず継続して能力を発揮できるよう制度を整えています。2012年度には「次世代育成対策推進法」に基づき、子育てサポート企業と認定され「くるみんマーク」も取得しています。
●モラール・サーベイ(従業員満足度調査)
従業員の満足度調査として、モラール・サーベイを実施しています。組織の強みと課題を明らかにすることを目的としており、調査結果は職場ごとにフィードバックされます。従業員の声をマネジメントや職場環境の改善につなげることで、働き続けられる、働きやすい環境づくりを推進しています。また、全社的な研修の教育カリキュラムにも結果を反映し、意識的に取り組んでいます。
●マタニティ制度
妊娠中の従業員が、体調管理のための休暇を取得できる制度を設けています。
●保育料サポート
育児サポートの一環として、会社が保育料の一部を補助することで経済的負担を軽減し、早期復職を促す制度を設けています。
働き方改革
久光製薬は、従業員一人ひとりが仕事とプライベートのバランスを取りながら心身ともに健康で活力ある職場づくりを推進しています。
2021年3月には在宅勤務制度を策定し、場所を選ばない働き方で生産性を高めていきます。定時退社を促す「家族団らん・自己啓発の日」(毎週水曜日)や、年次有給休暇の取得を推奨する「家族の絆を深める日」(誕生月を含め年2回)、「WAKUWAKU連続休暇」(連続3営業日以上)の制定など、年次有給休暇取得率の向上に取り組んでいます。
●時間単位年次有給休暇制度の導入
従業員からの意見をもとに、ワークとライフの双方をより充実させるための取り組みの一環として、時間単位年次有給休暇制度を導入しています。年次有給休暇の柔軟な活用を可能にすることで、年次有給休暇取得率の向上、業務のさらなる効率化、育児・介護などを抱える従業員のサポート、優秀な人材確保等につながると考えています。
福利厚生
●保養施設
従業員の保養施設として、大分県由布市で「湯布高原ヴィラ」を運営しています。この施設はくじゅう連山を望む高台に位置し、宿泊施設と温泉、研修施設を備えています。従業員やその家族の保養の他、社員研修でも利用しています。
●独身寮・社宅
本社・研究所のある地区には独身寮や社宅を備え、住環境の整備を行っています。その他の地区では、借り上げ社宅制度を設け、転居を伴う異動や単身赴任者の生活不安の解消に取り組んでいます。
●持ち家取得の援助
従業員の住宅取得負担を軽減し資産形成を支援するため、持ち家援助制度を設けています。
●久光製薬クラブ
福利厚生活動の一環として「久光製薬クラブ」を運営しており、使用する設備の提供や資金面での支援を行っています。当クラブは、全国にスポーツ系・文化系の100を超えるクラブが活動しており、従業員が共通の趣味を通じ、年齢や部門を超えて交流を深めています。また、年間行事として体育行事および社員旅行を実施し、従業員の健康増進およびコミュニケーションの活性化に努めています。
労働安全衛生の管理体制
労働安全衛生法に基づき、各事業所の規模や特性に応じて安全衛生委員会を設置しています。統括安全衛生管掌をトップとして、労働災害と健康被害の防止に取り組んでいます。
産業医・衛生部会委員・安全部会委員による職場巡視を定期的に行い、安全衛生上の問題点を見出し、改善につなげています。また、安全衛生委員会を毎月1回開催し、健康被害防止対策や労働災害の原因・対策などの審議および情報共有を行い、全従業員が安全に安心して働くことができる職場環境の形成を目指し、労使一体となり活動を進めています。
九州本社および宇都宮工場では、ISO45001の認証を取得し、EHSマネジメントシステムの下で運用されています。
安全衛生委員会での取り組み
リスクアセスメントの実施により、事故の未然防止に努めるとともに、防災意識を高め、労働災害の削減に努めています。
当社では、安全衛生委員による職場巡視を毎週実施し、安全衛生上の改善点等について確認を行っています。
騒音、塵埃、照度など職場環境測定の定期的な実施により、環境基準の管理および改善に取り組んでいます。また、有機溶剤などを取り扱う作業環境の改善や、作業者への保護具の管理指導の徹底を図っています。
2020年度の労働災害の発生件数は9件、労働災害度数率は0.82%でした。
化学物質の安全管理
久光製薬の研究所や工場では、新規化学物質を使用する場合には、各部門において安全性を評価し、当該化学物質を取り扱う従業員に周知徹底させることで災害防止に取り組んでいます。2016年6月施行の労働安全衛生法改正による化学物質の有害性・危険性評価の義務化に伴い、使用している化学物質について随時在庫確認を行い必要な対応を取っています。また、継続的に作業環境測定を行い、安全管理を推進しています。
防災訓練
年に2回、全事業所で火災や地震を想定した防災訓練を実施しています。事業所ごとに、起こりうる被害を具体的に想定し、訓練を行います。また、AED使用訓練や負傷者搬送、消火訓練なども行い、有事の際に速やかに対応できる手順の確認を行っています。訓練で明らかになった課題を事業所ごとに精査し、防災対策の向上に努めています。
従業員の健康管理
従業員が自身のストレス状態に気づき、セルフケアに役立てられるよう、2016年より全社員を対象としたストレスチェックを実施しています。さらに、毎月産業医による職場巡視を行い、従業員の安全面、衛生面に関する第三者評価を行っています。ストレスチェックの結果やメンタルヘルス不調者には随時産業医によるカウンセリングを実施し、フォローアップしています。また、休職者には職場復帰プログラムを準備して円滑な復職ができるよう支援しています。
車両運転の安全対策
久光製薬では、自動車安全運転に対する意識を高め、交通事故を防止するための取り組みを推進しています。2020年度の営業車両による事故は73件(前年比70.2%)であり、2018年より毎年減少傾向にあります。2021年5月には、全車両の73.3%にドライブレコーダーを搭載し、2022年2月までに86%の車両に搭載完了予定です。事故が起きた際にはドライブレコーダーの映像を再生し、事故の原因を究明することで、防止につなげています。

海外での労働安全衛生および
災害対策の取り組み
久光ブラジルでは毎年、製造機械のオペレーターを対象に、機械および装置の安全衛生に関するトレーニングを行っています。また、原材料や製品等の輸送、取り扱い、保管に関し、実践的なトレーニングを実施しています。

●その他の活動
拠点 | 表題 | 概要 |
---|---|---|
インド ネシア |
防災訓練、 安全衛生 |
シドアルジョ本社工場では、火災や地震を想定した避難訓練を実施しています。 有事の際には従業員が適切で速やかな行動ができるよう、救命訓練も実施しています。 その他、安全衛生委員の定期的な巡視活動により、労災を未然に防ぐべく取り組んでいます。 |
ベトナム | 消防・ 救命訓練 |
ドンナイ省消防公安指導のもと、消防・救命訓練を実施しています。 消火機器を使用した消火訓練や、一次救命処置の指導、ホースを使用しての放水訓練を行い、 有事の際の初期消火活動や一次救命処置に備えています。 |
安全衛生教育 | 全社員を6グループに分け、外部講師を招いての安全衛生教育を実施しています。 教育の内容は、安全衛生活動に関する法律などの基本的な知識です。 |
|
ブラジル | 消防・ 救命訓練 |
毎月、構内の消火器および消火栓の点検を行っています。 また、防災トレーナーの指導のもと、社内消防隊員の消防・防災訓練を定期的に実施しています。 |
安全衛生 | 新型コロナウイルス感染予防対策として、社員やその家族へのマスクの配布や、 通勤バスによる社員の送迎などに取り組んでいます。 |
● 従業員データ
※2021年2月末時点
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | ||
---|---|---|---|---|
従業員数 | 男性 | 1,168人 | 1,134人 | 1,130人 |
女性 | 428人 | 435人 | 453人 | |
男女計 | 1,596人 | 1,569人 | 1,583人 | |
平均年齢 | 37.1歳 | 37.6歳 | 37.8歳 | |
平均勤続年数 | 13.3年 | 13.8年 | 14.1年 | |
女性管理職比率 | 4.4% | 4.4% | 5.7% | |
育児休業取得者数 | 34人 | 25人 | 40人 | |
高齢者雇用率 | 2.50% | 2.96% | 3.00% | |
障がい者雇用率 | 1.86% | 1.99% | 1.94% | |
中途採用率 | 10.26% | 19.40% | 1.18% | |
有給休暇取得率 | 61.7% | 69.0% | 60.2% | |
労働災害件数 | 8件 | 11件 | 9件 | |
休業災害件数 | 3件 | 2件 | 3件 | |
度数率 | 0.81% | 0.55% | 0.82% | |
国内従業員数 | 1,653人 | 1,617人 | 1,645人 | |
海外従業員数 | 1,139人 | 1,128人 | 1,125人 | |
新入社員数 | 男性 | 41人 | 33人 | 45人 |
女性 | 26人 | 18人 | 28人 | |
男女計 | 67人 | 51人 | 73人 |
● 福利厚生制度
制度名 | 内容 | |
---|---|---|
結婚 | 結婚時 勤務地 申請制度 |
結婚時に配偶者との同居が可能となるような勤務地の希望を申請できる制度 |
出産・ 育児 |
育児休業 | 産後休業後、子が1歳6か月に達するまで、または1歳に達した後の4月末までのうち、 いずれか長い期間(ただし事情により最長2歳まで)休業できる制度 |
マタニティ 休暇制度 |
産前休業に入る前までの間、体調管理のための休暇を取得できる制度 | |
保育料 サポート制度 |
認可外保育所に入所している子が3歳になるまで、保育料の一部を補助する制度 | |
育児短時間制度 勤務制度 |
子が小学校3年生を終了するまでの間、一日最大2時間、勤務時間を短縮できる制度 | |
子の 看護休暇 |
小学校に就学するまでの子を持つ従業員が、子の疾患看護のために休暇を取得できる制度 | |
介護 | 介護休業 | 通算93日の範囲で、回数制限なく休業できる制度 |
介護短時間制度 勤務制度 |
利用開始から3年の範囲で、1日最大2時間、勤務時間を短縮できる制度 | |
介護休暇 | 要介護状態にある家族を介護する従業員が、介護や通院付き添いなどで休暇を取得できる制度 | |
雇用 | 定年後 再雇用制度 |
65歳を上限に、定年に達した従業員を再雇用する制度 |
再雇用 登録制度 |
育児や介護により退職する従業員が復職を望む場合、その希望を登録できる制度 | |
生活 | 災害復旧資金及び 疾病治療資金 貸付制度 |
居住する家屋または家財道具に被害が生じた場合、また本人を含む従業員家族に傷病が生じた場合、 復旧あるいは治療資金を貸し付ける制度 |
ボランティア 休暇 |
ボランティア活動のための休暇制度 | |
財形 | 持ち家 援助制度 |
新規に持ち家を取得する従業員に、その費用を援助する制度 |
従業員 持株会 |
社員の資産形成支援として、毎月の給与から自社株式を購入する制度 (購入資金に対して、奨励金の援助あり) |
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社会貢献 | 久光製薬 株式会社 ほっとハート 倶楽部 |
会員従業員と会社が拠出する寄付金をもとに運営し、さまざまな社会貢献活動を行う |