上手につきあう「更年期」 更年期を知って、いつまでも自分らしく 読売新聞 × Medical Tribune なるほど医療!

読売新聞 2017年10月29日付

第11回
個人差が大きい更年期症状

40歳をすぎると、さまざまな不調に悩まされる女性が増えてきます。体の変わり目である更年期は、今後の人生をいきいきと元気に過ごすための分岐点。一度、ゆっくり立ち止まって、心と身体のメンテナンスをしてみませんか?

  • 写真:苛原稔先生

    苛原稔
    (いらはら みのる) 先生

    1979年徳島大学医学部医学科卒業、1983年徳島大学大学院医学研究科修了、同大学医学部附属病院医員、2001年同大学医学部産科婦人科学教授、2010年同大学病院長、2013年同大学医学部長。

女性ホルモンが急激に減って
全身にさまざまな影響が現れる

女性ホルモンであるエストロゲンは、頭の先から足の先まで全ての臓器に働きかけ、活性化する重要な役割を果たしています。脳を活性化し、表情をいきいきさせたり、骨を強くし、全身の皮膚をみずみずしく保つのも、すべてエストロゲンの働きによるものです。エストロゲンの分泌量は、15~16歳から増えてきて35歳くらいでピークを迎えますが、40代半ばから50代半ばくらいに急激に減少します。この時期を更年期といいます。

更年期になると月経が不規則になり、のぼせ、ほてりをはじめとしたさまざまな症状が現れます。症状は個人差が大きく、不調をあまり感じない人もいれば、感じる人もいます。更年期症状によって日常生活に支障が出る場合は、治療をおすすめします。

女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少

更年期症状が現れたときは
健康チェックのチャンス

更年期障害の治療は婦人科で行います。おもな治療はホルモン補充療法(HRT)で、貼り薬、飲み薬などいくつかの種類があります。乳がんのようにホルモン依存性のがんの経験がある人など、HRTを行えない人もいますが、更年期世代の多くの女性はHRTを行うことができます。HRTを行うと乳がんなどのリスクを心配する人もいますが、定期的に検診を行うことで早期発見につながるメリットがあります。

HRTを開始すると、のぼせやほてりの症状は1〜2週間でほとんど消失します。不眠や抑うつも女性ホルモンの減少が原因の場合は改善します。まずは1か月程度継続してみて、症状が改善されなければ、神経科など他の科を紹介することもあります。

女性の平均寿命と健康寿命の間には12~13年のギャップがあることが問題になっています。婦人科医は女性のための総合診療医としての役割も担っていますので今後の人生を健康で快適に過ごすためにも、更年期症状が現れたときは、健康チェックのチャンスと思って、ぜひ婦人科に相談に来てください。

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