上手につきあう「更年期」 更年期を知って、いつまでも自分らしく 読売新聞 × Medical Tribune なるほど医療!

読売新聞 2016年10月30日付

第6回
更年期症状による心と身体の変化

月経不順やほてり、発汗、不安、不眠など、女性ホルモンが急激に低下する更年期には、さまざまな心身の変調が起こりやすくなります。ホルモンの激動期をスムーズに乗り切るために知っておきたいこととは?

  • 写真:野崎雅裕先生

    野崎雅裕
    (のざき まさひろ) 先生

    1979年九州大学医学部卒業、同産婦人科学入局。米国シンシナティ大学、ノーフォーク・ジョーンズ研究所留学を経て、1999年九州大学病院産婦人科准教授、2006年九州中央病院副院長、2010年より野崎ウィメンズクリニック院長。

多彩な症状が全身に現れる更年期
まじめな性格や生活環境も影響

女性は閉経前後の更年期になると、心と身体に大きな変化が起こります。最初に現れる変化は月経不順。早い人では30代後半くらいから、月経がダラダラ続いたり、間隔がとびとびになったりして周期が不規則になる人が増えてきます。40代半ばくらいになると、のぼせ、発汗、動悸、イライラ、手足の冷え、頭痛、めまい、不安、不眠、腰痛、膝痛、無気力、耳鳴り、目の疲れ、喉の渇きなど、実に多彩な症状が全身のあちこちに現れてきます。

症状の出方には個人差が大きく、その人の性格や生活環境などが複雑に影響してきます。真面目で几帳面な性格の人、子育てや夫の世話で精一杯頑張ってきた上に、親の介護が加わって心身ともに疲れてしまった人、年齢的に仕事上の責任が重くなって大変というような環境にいる人などには、症状が強く出る傾向があります。

遠回りをしないために
まず婦人科に相談して

更年期症状の原因は女性ホルモンの急激な低下です。動悸が気になって内科、不安や不眠に悩んで精神科というように、症状ごとに医療機関を受診し、結局改善されずに悪循環に陥る人が多いです。女性ホルモンについてよく知る婦人科をまずは受診してみてはいかがでしょうか。別の病気が疑われる場合には、必要な診療科を紹介します。

更年期症状で日常生活に支障があるならば、ホルモン補充療法(HRT)を行うと、のぼせや発汗などの症状は早い人で3日、遅くても1週間で軽くなってきます。HRTのお薬は、経口剤(錠剤)、経皮吸収型製剤(貼付剤、塗布剤)があり、含まれるホルモン量も低用量から高用量までさまざまです。治療開始後、慣れるまでは乳房の張りや不正出血などが起こる場合もありますが、続けていくうちに軽快します。また、お薬の量を減らすことによって対処することもあります。

女性ホルモンが急激に増える思春期に心身の不安定な状態を経験した人も多いと思います。更年期はその逆ですが、いずれも女性ホルモンの急激な変動が原因です。症状がつらいときは無理をせず、健康チェックも兼ねて気軽に婦人科に相談してください。

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