企業情報
環境とのかかわり
環境への取り組み
久光製薬は、全社員が環境保全の重要性を認識し、環境面からも社会的課題の解決に取り組んでいます。研究開発から生産、販売プロセスが環境に与える影響を評価し、バリューチェーンにおける環境負荷低減に努め、豊かな地球環境の実現を目指しています。今後も積極的に商品や事業を通じた気候変動抑制への取り組みを推進して行きます。
低炭素社会への貢献
工場の稼働に必要な動力や照明、冷暖房などエネルギーの多くは、購入電力を使用しています。この電力の多くは、石炭や石油などの化石燃料を燃焼させることで得られており、電力の使用は、温室効果ガスの発生に直結しているといえます。 事業活動に伴う温室効果ガスを最小限に抑えるために、エネルギーの効率的な利用を図り、地球温暖化防止に向けて取り組みを進めています。
「日本製薬団体連合会の低炭素社会実行計画」への参加
久光製薬は、「日本製薬団体連合会の低炭素社会実行計画」に参加しており、CO₂排出削減目標として、2030年度までの中期目標を「2013年度比で30%削減」と設定しました。2019年度の実績は約26%削減となりました。 本年度の大幅なCO₂削減の原因としては、電気事業者のCO₂排出係数による影響もありますが、宇都宮工場による「清原スマートエネルギーセンター事業」の稼働が大きく削減に貢献いたしました。
輸送の省エネ対策
商品輸送の多くはトラック輸送を行っていますが、輸送量の多い主要経路では、環境への負荷が少ない船舶輸送に転換するモーダルシフトに取り組んでいます。2019年度は、商品輸送の一部を船舶輸送に切り替え、315tのCO₂削減となりました。今後も、積載効率の向上や共同配送などに取り組み、船舶輸送に加え、鉄道輸送も取り入れることで、さらなるCO₂削減に努めてまいります。
車両のハイブリッド車への切り替え
商品輸送と営業車両による環境負荷の低減に取り組んでいます。 営業車両については、随時ハイブリッド車両への切り替えを行い、CO₂排出量削減と省資源に取り組んでいます。2019年2月現在、営業車両のハイブリッド車の割合は75.2%です。
二酸化炭素排出量の推移
宇都宮工場では、2019年9月より、「清原工業団地スマエネ事業」の運用開始に伴い、約10%のCO₂排出量の削減となりました。 鳥栖工場を含む九州本社では、省エネ設備の導入やエネルギーの効率的な運用を推進し、CO₂排出量の削減に努めました。前年度比で約18%のCO₂排出量の削減となりました。 筑波研究所および東京本社・各支店営業所では、空調温度の設定、照明および機器などの節電管理を徹底し、それぞれ前年度比で約5%および7%のCO₂排出量の削減となりました。 2019年度は、久光製薬単体で前年度比約14%のCO₂排出量の削減となりました。
エネルギー使用量(原油換算)の推移
宇都宮工場では、「清原工業団地スマエネ事業」の運用開始により、前年度比で、約10%のエネルギー使用量の削減となりました。 鳥栖工場を含む九州本社では、製造設備の集約および電気使用量の把握による運用の効率化、照明のLED化などにより前年度比で約1%のエネルギー使用量の削減となりました。 筑波研究所および東京本社・各支店営業所では、空調温度の設定、照明および機器などの節電管理を徹底し、それぞれ前年度比で約4%および2%のエネルギー使用量の削減となりました。 2019年度は、久光製薬単体で前年度比約4%のエネルギー使用量の削減となりました。
サプライチェーンにおける
CO₂排出量(スコープ1、2、3)
原材料調達・製造・物流・販売・廃棄等といった製造から消費までの一連のプロセスにおいて温室効果ガスが発生し、地球環境に影響を与えています。低炭素社会の実現のために、自社だけではなくサプライチェーン全体でのCO₂排出量削減が重要だと考えており、2015年から環境省のガイドラインに従ってサプライチェーン全体のCO₂排出量を算定しています。2019年度の排出量は、前年度比3.7%の削減となりました。
サプライチェーン排出量
カテゴリ | 2019年度排出量 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
CO2(t) | 比率 | |||
スコープ1 | 直接排出 | 8,763 | 6.60% | 算定範囲は久光製薬単体 |
スコープ2 | 間接排出 | 15,349 | 11.57% | 算定範囲は久光製薬単体 |
スコープ3 | 購入した製品・ サービス |
65,046 | 49.02% | 国内における原材料等の数量に排出原単位※を乗じて算出 |
資本財 | 4,729 | 3.56% | 設備投資額に排出原単位※を乗じて算出 | |
Scope1,2に 含まれない燃料および エネルギー関連活動 |
2,494 | 1.88% | 購入電力量に排出原単位※を乗じて算出 | |
輸送、配送(上流) | 2,312 | 1.74% | 1次原料メーカーの製造所から当社工場、 当社工場から物流センター、 卸等までのトンキロに排出原単位を乗じて算出 |
|
事業活動から出る 廃棄物 |
2,308 | 1.74% | 国内工場、研究所の産業廃棄物の種類別排出量に 排出原単位※を乗じて算出 |
|
出張 | 1,009 | 0.76% | 出張日数に排出原単位※を乗じて算出 | |
雇用者の通勤 | 254 | 0.19% | 交通区分別の交通費支給額に排出原単位※を乗じて算出 | |
リース資産(上流) | - | - | ||
輸送、配送(下流) | 34 | 0.03% | 卸からの平均配送距離と数量からトンキロを算定し、 排出原単位※を乗じて算出 |
|
販売した製品の加工 | - | - | ||
販売した製品の使用 | - | - | ||
販売した製品の破棄 | 30,398 | 22.91% | 使用した原材料量に排出原単位※を乗じて算出 | |
リース資産(下流) | - | - | ||
フランチャイズ | - | - | ||
投資 | - | - |
※環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算出もための排出原単位データベース(Ver.2.6)」に記載の値
海外工場のエネルギー使用量
海外工場では、生産拡大に伴い電力や燃料などのエネルギー使用量が増加する傾向にあります。省エネルギー技術の移転やさらなる生産効率の改善を図ることで、環境負荷低減に取り組んでいきます。
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | ||
---|---|---|---|---|
ノーベン | 電力 (MWh) |
11,749 | 12,134 | 11,061 |
ガス (㎥) |
1,079,870 | 637,245 | 409,890 | |
久光ベトナム | 電力 (MWh) |
2,643 | 3,446 | 3,407 |
ガス (㎥) |
30,540 | 48,501 | 55,080 | |
重油 (kl) |
0.2 | 1.8 | 1.4 | |
久光インドネシア | 電力 (MWh) |
1,726 | 1,665 | 1,986 |
軽油 (kl) |
104 | 112 | 120 | |
久光ブラジル | 電力 (MWh) |
2,714 | 2,920 | 2,798 |
軽油 (kl) |
30.1 | 30.0 | 39.7 |
・久光ベトナム2018年のガス使用量を訂正
廃棄物の削減
全社で廃棄物を適切に分別し、再資源化や減量を行うことで廃棄物の削減に取り組んでいます。 また、生産工程における廃棄物や使用後に廃棄物となる商品を減らすため、原材料の変更や商品包装の改良などさまざまな取り組みを行っています。国内外の商品を問わず、パッケージサイズの縮小や薬袋サイズの縮小等の商品改良をすることで省資源化を推進し、環境に配慮した商品づくりに努めています。
リサイクルの推進
製造過程で生じる生産ロスは、セメント工場の熱源としてサーマルリサイクルしています。焼却後に発生する灰は、セメントの混合材料として使用することで、リサイクル率は、99.8%となっています。また、輸送用の資源は分別収集し、古紙の原料やクッション材としてマテリアルリサイクルしています。
久光インドネシア・
プレスカンファレンス開催
久光インドネシアでは、「温かさでつながろう」をコンセプトに掲げ、CSR活動と当社商品のブランディング向上を結びつけ、地域の課題解決に取り組んでいます。インドネシアでは、近年地震による津波および大雨による洪水など、多くの災害が発生しています。環境にやさしい商品開発を目指す当社は、地域の環境保全に加え、災害被害の軽減を目的として、中部ジャワ州都スマラン沿岸にてマングローブ植樹活動を実施しました。 今回、「Rekatkan Kehangatan」※運動の一環として、海洋学および心理学分野での学識経験者を招き、プレスカンファレンスを開催しました。
※Rekatkan Kehangatan:
「温かさでつながろう」の意味
Prof.Dr.Ir.Dietriech G.Bengen,DEA
(ボゴール農科大学教授)
マングローブの植樹は、津波や洪水被害を軽減する対策として、また、海岸周辺の生態系の保全に対する取り組みとしても評価できると思います。この活動をインドネシア社会でさらに重要な取り組みにするためには、若者が、マングローブを愛することの価値と精神を高め、社会経済と生態系自体に真の影響を与えることが重要であると思います。
Anna Surti Ariani S.Psi.M.si
(心理学者)
今回の活動は、デジタル・ソーシャルメディアの時代に生きている若者たちが、一緒に行動し、環境問題に向き合う機会として、有意義な活動であり、共感いたします。コラボレーション、友情および共同作業に焦点を当てた近年では珍しい取り組みであり、今後の久光製薬の地域社会とのパートナーシップに期待しています。