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医薬品の開発

久光製薬は、皮膚から薬を送り込む経皮薬物送達システム(TDDS:TransdermalDrugDeliverySystem)に基づいた商品開発に力を注いでいます。皮膚からの吸収が困難である薬剤のTDDS化、使用感に優れ人体への影響度が少ない製剤開発を行い、さまざまな疾患領域の患者さんのQOL向上に貢献できる研究開発を行っています。

QOLの向上を目指すTDDS

久光製薬は、世界中の人々の「健康・安全・快適な生活」という根本的な願いに応えるため、TDDS製剤の研究開発に集中して取り組んでおります。薬物をTDDS製剤にすることにより、「適切な薬物血中濃度を長時間にわたり維持することができる」、「小児や高齢者など嚥下困難な患者さんへの薬物投与が可能になる」、「副作用が発現した場合にも剥がすことにより簡単に投与中断ができる」など診療科を問わず、幅広い医療ニーズに応えることができます。研究開発に当たっては、候補薬物の網羅的探索と積極的なアライアンスを推進することで、有用性の高いTDDS製剤の開発に努めています。
さらに、より多くの薬物をTDDS化するためのマイクロニードルなど、新規基盤技術を駆使したTDDS製剤の開発によって、医療現場のニーズに合致した医薬品開発を行っています。

「ハルロピ®テープ」の開発

「ハルロピ®テープ」は、ロピニロール塩酸塩を有効成分とする1日1回貼付の経皮吸収型ドパミン作動性パーキンソン病治療剤です。経口剤として既に国内販売されているロピニロール塩酸塩を、当社のTDDS技術を用いて、安定した薬物血中濃度を維持し脳内に存在するドパミン受容体を持続的に刺激し、優れた効果の持続性を有する貼付剤を目指し開発しました。
さらに、皮膚への付着性をコントロールすることにより、剝離時の角質層の損傷等を抑えることを可能にしました。久光製薬は、パーキンソン病患者のQOL向上のため、患者さんの持つ課題を抽出し課題の解決に貢献いたします。国内での販売および情報提供活動は協和キリン株式会社が行っています。

パーキンソン病患者さんの課題と「ハルロピ®テープ」がもたらす効果

パーキンソン病患者さんの課題 「ハルロピ®テープ」がもたらす効果
自律神経症状(消化管障害)への対応。 TDDS製剤により、消化管障害の影響を受けない。
介護が必要な患者さんへの薬物の投与。 患者さんの家族や介護者が容易に投与可能であり、使用状況の確認および服薬アドヒアランスの向上。
手術前後に絶食を要する場合に伴う経口投与の中止。 継続して薬物投与が可能。
誤嚥性肺炎等の全身状態悪化に伴う経口摂取の中止。
副作用が発現した際の対応。 製剤を剥離することによりそれ以上の曝露を回避。

「SECUADO®」の開発

「SECUADO®」はアセナピンマレイン酸塩を有効成分とする1日1回貼付のテープ剤で、米国での統合失調症治療における初めての経皮吸収型製剤です。当社のTDDS技術によって薬物血中濃度を安定的にコントロールすることで優れた有効性および安全性が期待でき、さらに、患者さんの服薬状況を医療関係者や介護者が視覚的に確認することができます。

統合失調症患者の課題
統合失調症では、しばしば患者さんが服薬を遵守できないために再発・再燃が起こり、再発・再燃を繰り返すことで精神症状がさらに悪化し、社会機能が低下することが知られています。したがって、服薬アドヒアランスの向上による再発・再燃予防は統合失調症の薬物治療の重要な課題と位置付けられています。

「SECUADO®」がもたらす効果
服薬アドヒアランスには、患者さんの希望に沿った剤形選択も重要視されています。従来の錠剤、口腔内崩壊錠、持効性注射剤などの剤形に対して、貼付剤が新たに加わることで、患者さん自身が治療に対して前向きとなること、患者さんおよび医療関係者の方々が抱える服薬アドヒアランス改善などのアンメットニーズを満たしていくことが期待されます。
本剤を含め、世界市場に医薬品をいち早く投入していくため、国内の研究開発拠点と海外子会社であるノーベン社の研究開発拠点の研究開発活動の一元化、人材交流を含めた連携を強化しながら研究開発を進めています。

開発パイプライン

経皮投与による安定した効果の持続や副作用の低減といったTDDS製剤のメリットを最大限に活かした研究開発を行っています。また、QOL向上に寄与する医薬品を速やかにお届けできるよう、これまでに蓄積したTDDS製剤の開発ノウハウを基に開発期間の短縮に努めています。

開発パイプライン
久光製薬TDDSの対象疾患の拡がり

TDDS技術で開発した医薬品

モーラス®テープ
疼痛領域
製剤サイズ
7cm×10cm

モーラス®テープ

ケトプロフェンを有効成分とする経皮鎮痛消炎剤(テープ剤)です。腰痛症などの痛みや、関節リウマチにおける関節局所の疼痛、外傷後の腫脹(しゅちょう)・疼痛等に効果を有します。貼付後速やかに効果を発揮します。貼付回数は1日1回です。

モーラス®パップXR
疼痛領域
製剤サイズ
14cm×20cm

モーラス®パップXR

パップ剤の特長である冷却作用を有し、かつテープ剤と同等の付着力および効能があるのが特徴です。製剤改良により貼付回数は1日1回です。また、モーラス®パップ処方比70%の軽量化を実現し、環境にも配慮しています。

ハルロピ®テープ
神経内科領域
製剤サイズ
23.2mm×23.2mm

ハルロピ®テープ

ロピニロール塩酸塩を有効成分とする経皮吸収型ドパミン作動性パーキンソン病治療剤(テープ剤)です。
安定した薬物血中濃度を維持し、脳内に存在するドパミン受容体を持続的に刺激することから、優れた効果の持続性が期待されます。貼付回数は1日1回です。
(販売:協和キリン株式会社)

ネオキシ®テープ
泌尿器科領域
製剤サイズ
73mm×73mm

ネオキシ®テープ

オキシブチニン塩酸塩を有効成分とする尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁等を改善する1日1回貼付のテープ剤です。膀胱のムスカリン受容体を遮断することにより排尿筋過活動を抑制します。内服薬の副作用である口内乾燥の低減が期待されます。

疼痛領域

フェントス®テープ

鎮痛効果の高いフェンタニルクエン酸塩含有の持続性疼痛治療剤で、がん性疼痛およびがん以外の慢性的な痛みなどに使用します。

エストラーナ®テープ
婦人科領域
製剤サイズ
9㎠
(長径3.7cm、短径3.1cm)

エストラーナ®テープ

女性ホルモン・エストラジオールを有効成分とするテープ剤です。女性ホルモンの低下によって起こる顔のほてり、のぼせ、異常な発汗などの血管運動神経症状を改善します。また、骨吸収を抑制して骨密度を改善します。2日に1回下腹部または臀部(でんぶ)に貼付します。

アレサガ®テープ
アレルギー領域
製剤サイズ
22.3mm×36.1mm

アレサガ®テープ

エメダスチンフマル酸塩を有効成分とする、アレルギー性鼻炎に効果を有する1日1回貼付のテープ剤です。安定した血中薬物濃度を維持し効果の持続が得られます。

MOHRUS® PATCH/KEPLAT®
疼痛領域
製剤サイズ
7cm×10cm

MOHRUS® PATCH/KEPLAT®海外向け

MOHRUS®PATCHはモーラス®テープと同じケトプロフェンを含有したテープ剤で、腰痛症、外傷性の急な痛みの緩和を効能効果としています。KEPLAT®は、欧州薬事規制に合わせてメントールを含まず製剤のにおいを軽減しています。

SECUADO®
統合失調症領域
製剤サイズ
54.8mm×54.8mm

SECUADO®海外向け

アセナピンマレイン酸塩を有効成分とする1日1回貼付のテープ剤で、米国での統合失調症治療における初めての経皮吸収型製剤です。薬物血中濃度を安定的にコントロールすることで、優れた有効性および安全性が期待でき、服薬状況を医療関係者や介護者が視覚的に確認することができます。

Minivelle®
婦人科領域
製剤サイズ
1.65㎠

Minivelle®海外向け

閉経に伴う中・高度のホットフラッシュ症状の改善および閉経後骨粗鬆症の進行防止を効能に持つホルモン補充療法の貼付剤で、米国FDAから承認を受けています。特徴として使用感を高めるために従来商品よりサイズを小さくしています。

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