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ごあいさつ

  • 中冨一榮

    代表取締役社長

    中冨一榮

新しい社会像とともに

2020年現在、世界は、社会は、大きな変革の時を迎えました。1847年の創業以来、当社が掲げる「世界の人々のQOL向上を目指す」という経営理念のもと、「貼付剤による治療文化を世界へ」という企業使命の実現に向けて取り組んできた久光製薬に「何ができるか?」「何をするべきか?」、ということが、広く社会から問われていると考えています。

企業として、また一人ひとりが、固定観念や既成概念にとらわれずに、新たな視点を持って考え、実践することが「久光らしさ」です。

持続可能な社会の構築に向けた動きは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の大きなテーマとなっています。コロナ前に戻すのではなく、この教訓を基に新しい生活環境を実現していくことが求められており、久光製薬もグループを挙げて取り組んでいきます。

多くの人々が「心の豊かさ」や「幸福感」を実感できる商品・サービスの提供、従業員の雇用環境の整備、サプライチェーンにおけるESG観点でのより強い関係構築など、私たちが実践すべき課題は少なくありません。ステークホルダーの皆さまとともに、より良いパートナーシップを構築して進めることが重要です。

ESG推進の契機に

ESGの推進にとっても、大きな契機として捉えることができます。環境面での重要な課題である気候変動については、気候の激甚化をもたらすだけでなく、新しい感染症を発生させる温床になっているとも考えられています。このような幅広い影響を緩和する意味でもGHG(温室効果ガス:Greenhouse Gas)の削減は、重要性を増すばかりです。

久光製薬では、宇都宮工場での省エネルギーによる環境負荷の削減の観点から、「清原工業団地スマエネ事業」に参画し、2019年12月からエネルギーの全面供給が開始されました。自治体も含めた広いパートナーシップにより実現したこの取り組みは、今後のGHG削減にとって大きな意味を持つものです。

廃棄物課題もまた、安全で安心な商品をお客さまにお届けする久光製薬にとって、重要な課題です。廃棄物の処理、海洋プラスチックなどさまざまな観点について、製造者としての責任視点だけでなく、お客さまの視点で一緒に考え、実体的な解決に寄与する施策の実施を図っていきます。関連するステークホルダーとの協力関係を強固にし、物流、包装、製剤仕様などすべての見直しを進めていきます。

社会面においては、品質・安全、人権、雇用、地域社会との関係など多くの考慮すべき側面について、将来像を見据え、バックキャスティングの視点を持って、再度見直す必要があると考えています。世界的に経済活動の停滞が認められ、生活環境が変化するなかで、「久光らしさ」を発揮し取り組みを進めていきます。

ダイバーシティ&インクルージョン観点で、多様性を取り込んだ雇用環境を実現すること、「久光製薬株式会社ほっとハート倶楽部」を通じた市民活動への支援などに加え、久光製薬グループが展開する各国のコミュニティーが抱える課題に対して誠実に取り組んでいきます。

国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」についても、2030年に設定されたゴールまで残り10年。この10年を意義あるものにし、着実な達成に向けた貢献を果たしていきたいと思っています。

「久光らしさ」をともに

当社のCSR報告書は、久光製薬グループのCSR推進について、ステークホルダーの皆さまに評価いただきながら、活動を進化させるためのコミュニケーションツールです。

本報告書を通じて、あらゆるステークホルダーの皆さまとの交流を進め、久光製薬グループとしての取り組みを持続的に改善していきます。

私たちが取り組む「久光らしさ」は、社内だけの独りよがりの発想からは実現できないものと考えています。2020年は久光製薬にとって、経営面など新たな船出ともなる年となり、皆さまからの助言、期待をお寄せいただくことで真の「久光らしさ」が実現できるものと信じています。

最後になりますが、新型コロナウイルス感染症によるさまざまな苦難への対応を余儀なくされている多くの方に対してはお見舞いを申し上げ、また医療関係者の皆さまの献身的な活動にあらためて敬意を表します。

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