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医薬品の開発
久光製薬は、これまで培ってきた知見やTDDS(Transdermal Drug Delivery System:経皮薬物送達システム)技術を活かし、さまざまな領域における患者さんのQOL向上に貢献できるような医薬品開発を行っています。
QOLの向上を目指すTDDS
当社は、世界中の人々の「健康・安全・快適な生活」という根本的な願いに応えるため、TDDS製剤の研究開発に集中して取り組んでいます。薬物をTDDS製剤にすることにより、「適切な薬物血中濃度を長時間にわたり維持することができる」、「小児や高齢者など嚥下困難な患者さんへの薬物投与が可能になる」、「副作用が発現した場合にも剥がすことにより簡単に投与中断ができる」など診療科を問わず、幅広い医療ニーズに応えることができます。
研究開発にあたっては、候補薬物の網羅的探索と積極的なアライアンスを推進することで、有用性の高いTDDS製剤の開発に努めています。
当社のTDDS技術を用いて開発した「フェントス®テープ」は、がんの痛みやがん以外の慢性的な痛みに対して鎮痛効果を有する経皮吸収型の貼付剤で、安定した薬物血中濃度を維持することから、1日1回の貼付で24時間安定した効果を得ることができます。そして医療現場からのご意見を参考に、従来の規格(1~8mg)に新用量となる0.5mgを加え、より細かな用量調節を可能としました。さらに、がんの痛みに対する医療現場のニーズに応えるため、オピオイド鎮痛剤未使用患者に対する適応追加の承認申請を目指しています。
また、世界市場に医薬品をいち早く投入していくため、国内の研究開発拠点と海外子会社であるノーベン社の研究所の研究開発活動の一元化、人材交流を含めた連携を強化しながら研究開発を進めています。
さらに、より多くの薬物をTDDS化するためにマイクロニードルなどの新規基盤技術を駆使したTDDS製剤の開発によって、医療現場のニーズに合致した医薬品開発を行っています。
開発パイプライン
経皮投与による安定した効果の持続や副作用の低減といったTDDS製剤のメリットを最大限に活かした研究開発を行っています。また、QOL向上に寄与する医薬品を速やかにお届けできるよう、これまでに蓄積したTDDS製剤の開発ノウハウを基に開発期間の短縮に努めています。
TDDS技術で開発した医薬品
モーラス®テープ
ケトプロフェンを有効成分とする経皮鎮痛消炎剤(テープ剤)です。腰痛症などの痛みや、関節リウマチにおける関節局所の疼痛、外傷後の腫脹(しゅちょう)・疼痛等に効果を有します。貼付後速やかに効果を発揮します。貼付回数は1日1回です。
モーラス®パップXR
パップ剤の特長である冷却作用を有し、かつテープ剤と同等の付着力および効能があるのが特徴です。製剤改良により貼付回数は1日1回です。また、モーラス®パップ処方比70%の軽量化を実現し、環境にも配慮しています。
モーラス®パップ
ケトプロフェンを有効成分とする含水性の経皮鎮痛消炎剤(パップ剤)です。変形性関節症、肩関節周囲炎、外傷後の腫脹・疼痛等に効果を有します。貼付回数は1日2回です。
ネオキシ®テープ
オキシブチニン塩酸塩を有効成分とする尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁等を改善する1日1回貼付のテープ剤です。膀胱のムスカリン受容体を遮断することにより排尿筋過活動を抑制します。内服薬の副作用である口内乾燥の低減が期待されます。
エストラーナ®テープ
女性ホルモン・エストラジオールを有効成分とするテープ剤です。女性ホルモンの低下によって起こる顔のほてり、のぼせ、異常な発汗などの血管運動神経症状を改善します。また、骨吸収を抑制して骨密度を改善します。2日に1回下腹部か臀部(でんぶ)に貼付します。
アレサガ®テープ
エメダスチンフマル酸塩を有効成分とする、アレルギー性鼻炎に効果を有する1日1回貼付のテープ剤です。安定した血中薬物濃度を維持し効果の持続が得られます。
MOHRUS®PATCH/KEPLAT®海外向け
モーラス®テープと同じケトプロフェンを含有したテープ剤で、腰痛症、外傷性の急な痛みの緩和を効能効果としています。KEPLAT®は、メントールを含まず製剤の匂いを軽減しています。
Minivelle®海外向け
中・高度のホットフラッシュ症状の改善、就寝時の発汗を抑えるためのホルモン補充療法の貼付剤で、使用感を高めるために従来商品よりサイズを小さくしています。アメリカのFDAから、閉経後の骨粗鬆症予防の効能も承認されています。
フェントス®テープ
鎮痛効果の高いフェンタニルクエン酸塩含有の持続性疼痛治療剤で、がん性疼痛およびがん以外の慢性的な痛みなどに使用します。