| ウメ 1月号/vol.31 |
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薬用部:果実 用途:風邪・疲労回復 原産:中国 ウメは中国原産で、日本には万葉の時代に伝わりました。「ウメ」という名前は、中国名である「鳥梅(うめい)」の音読みが変化したものです。高さ5〜7m位まで成長し、1〜4月頃に赤やピンク、白色の花を咲かせます。果実は6月頃に実り、梅干しや梅酒などにして用います。梅干しは風邪のときや疲れの溜まったときに摂ると効果があります。万葉の時代、花といえばウメのことを言い、百花(ひゃっか)の長(ちょう)、松竹梅として長寿の印にもされてきました。今ではお花見といえばサクラを愛でることですが、当時はウメの方が人気があったようです。西日本ではウメ、モモ、サクラの順に花が咲き始めます。北海道ではサクラ、モモ、ウメと逆転し、福島県三春では三種同時に開花します。東洋画では松竹と共に「歳寒三友(さいかんさんゆう)と呼ばれ、冬の寒さに耐える様子が多く描かれています。春を告げる縁起のいい花なので、鉢植えや花のついた枝を贈り物にしてはいかがですか? |
| オウバイ 2月号/vol.32 |
| 薬用部:幹 用途:おでき 原産:中国
オウバイは中国原産で、日本には江戸時代に伝わりました。がけなどにぶら下がるように生えることが多く、高さ1〜2m位まで成長し、2〜3月頃に葉に先立って黄色の花が咲きます。香りで有名なジャスミンの仲間で、“ウィンタージャスミン”という素敵な英名をもっていますが、オウバイには香りがありません。梅のような形をした黄色の花が咲くので日本では「黄梅」と書き表します。中国では早春に咲くことから「迎春花(げいしゅんか)」と名付けられています。日本では、薬用として利用されませんが、中国では、おできなどの治療に用いられています。 花言葉は「ひかえめな美」。おもむきのある枝ぶりや、淡い黄色の薄い花びらが見る人にそう思わせたのでしょう。殖やすときは、梅雨の時期に挿し木をします。高い所に挿し木すると、下に垂れながら成長するので、見映えのいいオウバイを見ることができるようになります。今年の梅雨は、挿し木を楽しみにしてみてはいかがでしょうか?可憐な黄色の花が貴方の家の庭に早い春を運んでくれるはずです。 |
| アセビ 3月号/vol.33 |
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薬用部:葉・枝 用途:殺虫剤 自生:本州・四国・九州 アセビは、“アシミ”、“アセボ”の名で日本の古典にも登場しているほど、古くから愛されている花です。本州、四国、九州に自生しており、公園や庭園にもよく植えられています。高さ1〜4m位まで成長し、3〜5月頃に白やピンクのかわいらしい花を咲かせます。けれども葉には毒性が有り、人が使用すると腹痛や嘔吐、下痢といった中毒症状を起こし、ひどい時には呼吸麻痺となって死亡することもあります。和名の馬酔木(ばすいぼく)とは、牛や馬が誤ってこの葉を食べると、麻痺して酔ったようになることから。うじの殺虫薬や牛や馬の皮膚寄生虫薬、農作物の害虫駆除薬となるのは、その強い作用からです。そう聞くとアセビはとても恐ろしい有毒植物のようですが、花はとてもかわいらしく、アメリカやヨーロッパでも親しまれています。病害虫もほとんどなく、挿し木や取り木、株分けで繁殖します。お庭の春を飾る花として、育ててみてはいかがですか? |
| アセビ 4月号/vol.34 |
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薬用部:全草 用途:止血・利尿 分布:日本各地 こんな言葉を耳にしたことはありませんか? 「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ、春の七草」。 "春の七草"はお正月で疲れた胃を休めるために1月7日に食べる"七草粥"に入れるための"7種類の春の薬草"のこと。この言葉は、それらを覚えやすくしたものです。ナズナもその七草のひとつで、実の部分を引っ張りくるくる回すと、音がすることからペンペン草とも呼ばれています。日本各地に分布しており、高さ10〜40p、3〜6月頃に白色の花が咲きます。どこにでも生えているせいか、雑草扱いされがちですが、草の全ての部分に止血や利尿作用などの効果があります。 ナズナと共に、春の七草を寄せ植えした鉢を贈れば、健康にも気を遣った気の効いた贈り物に。若い葉はおひたしに、根はきんぴら風に煮付けると舌も喜ばせることができます。一度お試し下さい! |
| クスノキ 5月号/vol.35 |
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薬用部:材 用途:しもやけ・打撲傷 分布:関東南部より以西、四国、九州、台湾、中国 クスノキという名前は、クスリまたはクサシ(臭いがする)に由来するものだろうと言われています。四国、九州および中国などの暖かい地方に分布しており、高さ20m位まで成長します。5〜6月ごろに初め白色、のちに黄色をおびる小さな花を多数つけ、佐賀県の県花、県木です。クスノキから得られる樟脳(無色透明の固体)は、強心剤として、また局所刺激作用や防腐作用があるので、神経痛、打撲傷の塗り薬としてつかわれます。植物全体には特異な芳香の精油分を含んでいるので害虫などに強いため、大きな木になるものが多く、神聖な木として古くから神社の境内に植えられ、人々と深いかかわりをもってきました。日射しの強い暑い日も、シトシト続く雨の日も、クスノキの木陰でひと息ついてその豊かな生命力から、元気を分けてもらいましょう。 |
| タイサンボク 6月号/vol.36 |
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薬用部:葉・つぼみ 用途:高血圧 原産地:北アメリカ
タイサンボクは、北アメリカ原産で、高さ10〜20m位まで成長します。日本には明治6年に伝わり、日本の初夏を代表する花木になりました。5〜6月頃に咲く真っ白な花は、花の径が15〜20cmもあります。花は2日ほどの命ですが、毎日次々と新しい花が咲くので長く楽しむことができます。タイサンボクという名前は、花や葉が大きいのを讃えたものだろうと言われています。大輪の花は美しく、また香りもよいことから、観賞用樹木として親しまれるようになりました。日本では庭園や公園に植えられ、世界の温帯地方でも広く栽培されています。乾燥した葉を煎じて服用すると高血圧に、乾燥したつぼみを煎じて服用すると鼻詰まりや花粉症、頭痛に効果があります。 |
| ベルガモット 7月号/vol.37 |
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薬用部:花・葉 用途:疲労回復 原産地:北アメリカ東部
紅茶のアールグレイには、ベルガモットオレンジという柑橘類の香りが使われています。その香りに少し似ていることから「ベルガモット」と名付けられました。北アメリカ東部原産で、高さ50〜150p位まで成長します。6〜8月頃に燃えるような赤、ほかにも白やピンク、紫などの花が咲きます。若い葉は、サラダやワインなどの香り付け、詰め物料理に利用できます。花びらはサラダに散らしたり、パンやクッキーに入れます。アメリカインディアンのオスウェゴ族は、昔からベルガモットを煮出してお茶がわりに飲んだり、風邪や気管支炎の治療に用いたといわれます。先住民族から移住者へと伝えられたお茶。時には野の香りを飲み、フロンティア時代を味わってみましょう。 |
| ヒマワリ 8月号/vol.38 |
| 薬用部:種子 用途:滋養 原産地:北アメリカ
北アメリカ原産で、高さ20〜300p位まで成長し、6〜8月頃に黄色の花が咲きます。太陽の光の方向に従って花が回るので「ヒマワリ」の名が付いたようですが、そのような事実はないそうです。中国名は向日葵で、英名もサン・フラワーと、太陽の花としての意味をもちます。種子のオイルはコレステロールを減らすので、ドレッシングなどに利用します。種の中身は、生か炒ってそのまま食べると滋養に効果があり、サラダやパン、お菓子に入れるなどしても使えます。太陽の光のほうへ顔を向けてゆく花はいろいろありますが、黄色やオレンジ色が多いように思います。画家のヴァン・ゴッホはヒマワリの花を好み、何枚も描いています。彼の描いた「ひまわり」の絵は炎や太陽、情熱を感じさせ真夏のやけつくような陽射しを思い出させます。ぐんぐん大きく伸びるヒマワリ…どこにも寂しいところがなく、屈託のない風情は素敵ですね。 |
| オミナエシ 9月号/vol.39 |
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薬用部:根 用途:利尿 原産地:日本から東アジアの温帯 秋の七草の一つ、オミナエシは万葉の時代より愛されています。日本から東アジアの温帯が原産で、高さ60〜100cm位まで成長し、8〜10月頃に黄色の小さな花を多数咲かせます。全国各地に野生し、お盆になると盆花として利用されます。近頃はお盆が近づくと花屋の店頭にも出るので、ススキやキキョウなどに続いて多くの人に知られるようになりました。切り花として生ける際は水をかえないと異臭を放つので、こまめに取り替えるようにしましょう。くすりとなるのは根で、解熱やはれもの、利尿に効果があります。『何事の かぶりかぶりぞ 女郎花(おみなえし)』と小林一茶は詠みました。オミナエシの花言葉である親切・美人・儚い恋。風にふらりふらりとそよぐ様は、いかにも『儚い恋』をしている『美人』を連想させるようです。 |
| ムラサキシキブ 10月号/vol.40 |
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薬用部:葉 用途:寄生性皮膚病 分布:日本各地 ムラサキシキブは日本の野山に広く自生している植物です。木の高さは2〜5m、、6月ごろに、4つに裂けた釣鐘のような形の淡い桃色の小花を咲かせます。そして秋になると葉を散らせ、枝先に、艶やかな紫の小さな実を残します。くすりとなるのは葉。寄生性の皮膚病などに用いられています。けれど、ムラサキシキブは魚毒植物にもなり、南太平洋のパラオ島などの人たちは、葉のついた枝を石で砕き、川に流して魚を獲るのに利用しています。ムラサキシキブという和名、一説には実の品格のある美しさを、平安時代の女流作家、紫式部にたとえたものだといわれています。聡明という花言葉もあの源氏物語を書き上げた彼女にぴったりです。春に咲く桃色の可憐な花。秋に色づく鮮やかな紫の実。2つの季節を風情豊かに彩るムラサキシキブ。そんな一枝を、お部屋に飾ってみてはいかがですか? |
| メグスリノキ 11月号/vol.41 |
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薬用部:木の皮・枝 用途:眼病・肝臓疾患 メグスリノキは山深くに多く見られ、高さ10〜20メートルにもなる高い木です。名前の通り、目の薬となる木で、樹の皮や小枝を煎じて飲むと、遠くまではっきり見えるようになるので「千里眼の木」と呼ばれることもあります。ほかにも目を洗うくすりとしたり、肝臓のくすりとしたり…。昔から目と肝臓は関係が深いとされていました。メグスリノキはそのどちらにも効く特効薬として名高い薬木だったようです。 人々はその一枝を求め、険しい山道を辿りました。そして山の中に堂々と佇むメグスリノキに出会うのです。山の頂、人の世界でもっとも天に近いところ。俯き暗い山道を歩いたその目に映る、蒼穹と光を返す梢。眩いその風景が何よりのくすりだったのかもしれません。秋には燃えるような紅に染まるメグスリノキ。その姿はたとえ「千里眼」でなくても見つけることがでいるはずです。 |
| センリョウ 12月号/vol.42 |
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薬用部:枝・葉 薬効:打撲・関節炎 センリョウは四国や九州に見られ、冬でも青々とした葉を茂らせる50cm〜1mの小さな木です。秋に結ばれる鮮やかな赤い実が印象的ですが、センリョウは光を嫌い、木陰にこっそりと育ちます。花は7月から8月。枝先に小さな花を咲かせます。また、日本にはマンリョウという木もあります。どちらも赤い実をつける低木でよく似ています。見分けるコツはセンリョウの実は葉の上に、マンリョウの実は葉の下。上を向いているセンリョウはめでたいとされ、正月の縁起物としてもお馴染みです。くすりとなるのは枝や葉で、刻んで温めたものを打撲や関節炎に塗ったり、煎じたものを風邪の引きはじめに飲んだりすると効果があります。これから冬、寒さも厳しくなります。風邪を引いたかな、と感じたらセンリョウに頼ってみるのもよいかもしれませんね。 |