| ボケ 1月号/vol.19 |
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薬用部:果実 用途:疲労回復・冷え性 原産地:中国
今では「ボケ」というこの名前は、「モケ」と呼ばれていたのが変化したものです。果実がウリに似ているので、木瓜と漢字で表したのを昔は「モケ」と読んでいたのです。原産地は中国で、日本には平安時代に渡来したといわれます。高さ1〜2mくらいまで成長し、2〜4月ごろに赤や白、ピンクの花を咲かせます。花の色が赤いものを「ヒボケ」、白いものを「シロボケ」といいます。花が終わると10月頃に果実がなります。この実を果実酒にしたボケ酒は香り高く絶品です。飲むと、疲労回復や筋肉のケイレンに効くといわれます。また、実をお風呂に入れると冷え性や不眠症に効果的です。ボケはあまり大きくなる木ではありません。狭い庭にむいているところから「平凡」という花言葉がつきました。新築祝いなどには、ちょっと皮肉っぽいかもしれませんね。 ★ボケ酒の作り方★ 果実1kgを数片に輪切りし、グラニュー糖400gとホワイトリカー1.8Lに漬け、半年ほどおく。 |
| ストレリチア 2月号/vol.20 |
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用途:頭痛・肩こり 原産地:南アフリカ
「ストレリチア」という名前は、イギリスのキングジョージ三世の皇后であるシャ−ロット・リフィア女王の出家、メクレンブルグ・ストレリッチア家の名にちなんでつけられました。原産地は南アフリカで、日本には明治時代に渡来しています。別名、極楽鳥花(ゴクラクチョウカ)。文字通り極楽に住む鳥をイメージさせる花です。花の色は全体がオレンジでところどころに黄色や青、紫などが入っています。高さ1mくらいまで成長し、10〜2月に花を咲かせます。暑い国の花らしく極彩色でトロピカル、南国のムードがいっぱいです。以前は高価な花でしたが、安く手に入るようになり、すっかり日本に定着したと言えるでしょう。派手な色合いでありながら、真っすぐで気高く、上品な花だからこそ日本の伝統美である生け花にもよく使われるのかもしれません。「恋の伊達者」という花言葉からは、派手な飾りの帽子をかぶり、気取っているプレイボーイを連想してしまいます。当薬草園内の温室「燦々の部屋」にも見ることが出来ます。是非、お立ち寄り下さい! |
| モクレン 3月号/vol.21 |
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用途:蓄膿症・鼻炎 原産地:中国
昔「モクレン」は、ランのような性状の花が咲くことから「木蘭(もくらん)」と呼ばれていました。しかし花の形はハスに似ていたので、「木蓮」と呼び名も変わりました。原産地は中国で、高さ5〜10m位まで成長し、3月〜5月に花が咲きます。モクレン類は1億年も前から今の姿をしていたことが化石から判明しており、最古の花木で、ほかの花木類の先祖と見られています。そんなに広いスペースがなくても木が植えられるので、狭い庭でも楽しむことができます。普通モクレンというと「シ(紫)モクレン」を指しますが、「ハク(白)モクレン」もあります。花の色はほかにも黄や紅があり、葉の出る前、枝先にとても大きな花を上向きにつけます。花は大きくも周りに溶け込むような柔らかな美しさで気品あふれる花です。「自然への愛」という花言葉がよく合います。花のつぼみを日干しにしたものが、生薬の辛夷(シンイ)。蓄膿症や鼻炎に効果があります。四季折々に色合いを変える薬木薬草園にて植物たちをお楽しみ下さい☆ |
| 沈丁花 4月号/vol.22 |
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用途:のどの痛み 原産地:中国
日本名の「沈丁花」は、花の香りが沈香(じんこう)や丁香(ちょうこう)のように香り高いことから、二つの名前をあわせて作られたと言われています。また、香りは沈香、花は丁子に似ているからという説もあります。原産地は中国で、中国から日本に渡来したのは室町時代。根を薬用とするため輸入したのですが、あまりにも香りが良いので、庭の花木の鑑賞用として広く楽しまれるようになりました。高さ1〜2m位まで成長し、3〜4月に白や淡紅色の愛らしい花が咲き、芳しい香りを漂わせます。夕方や湿気の多いところでよく匂い、その香りが千里のかなたまで届きそうなことから、千里花とも呼ばれています。「栄光」という花言葉もこんなところから付けられたのでしょう。3〜4月の花を日干しにしたものが、生薬の端香花(ずいこうか)。のどの痛みに効果があります。それはきっとジンチョウゲの優しい香りが痛みを癒してくれるから…皆様もぜひ、ジンチョウゲの良い香りを薬木薬草園にてお楽しみ下さい!! |
| クチナシ 5月号/vol.23 |
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薬用部:果実 用途:打撲・腰の痛み 原産地:日本・中国
「クチナシ」の果実は、まるで今にも開きそうなつぼみのようです。しかし、秋を過ぎ、冬が来てもそれが開くことはありません。今にも口を開きそうな期待感を懐(いだ)かせつつも、固く噤(つぐ)んだままなことから「口無し」の名前がついたと云われます。原産地は日本、台湾、中国、インドシナの暖帯、亜熱帯。高さ1.5〜2m位まで成長し,5〜6月に白色の花が咲き、とても甘い香りを漂わせます。生薬名を山梔子(さんしし)といい、熱を吸収して症状をやわらげる消炎作用があるので、はれものや打撲に効果があります。女の子のいる家では庭にクチナシを植えてはいけないとの迷信があります。これは、「嫁の口がない」というこじつけでしかないのですが、年頃の女の子のいるお宅に贈るのは控えた方が良さそうですね。当薬草園には、八重咲きのクチナシがあります。花言葉の通り、その美しさと良い香りは『とても幸せ』な気持ちにしてくれます。ぜひ薬木薬草園に足を運んでみて下さい! |
| アジサイ 6月号/vol.24 |
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薬用部:萼(がく) 用途:解熱 原産地:日本・アジア
幕末…長崎のオランダ商館に来ていたドイツ人の医師シーボルトは、日本で「お滝」という名の遊女に出会います。シーボルトはお滝を愛し、アジサイの中でも大輪でいちばん美しい品種を「オタクサ」と命名しました。アジサイの原産地は日本・アジアで、高さ1〜2m位まで成長します。2〜6月にピンクや青、紫色の花が咲き、見る人の気持ちを明るくしてくれます。アジサイが「七変化」とも呼ばれるのは、花色の変化に由来します。去年はピンクのアジサイが咲いていたのに、今年は青色のアジサイが咲くなど…。アジサイはアルカリ性の土だと「ピンク」、酸性の土だと「青」というように土によって花色が変化するのです。アジサイの花は花びらのように見える萼(がく)が"花"の形をつくります。花の盛りに採取した萼は熱を下げるのに効果があります。これから梅雨の時期に突入し、憂鬱になる日々が続きます。花色の変化のように私達の気分も変えてくれるアジサイから元気を分けてもらいましょう。 |
| ナデシコ 7月号/vol.25 |
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薬用部:種子 用途:利尿・通経 原産地:日本・中国 薄紅色の上品な花、淡緑色の繊細な茎葉。「ナデシコ」は、「撫(なで)し子」と表されます。この名は愛らしい可憐なナデシコの姿に、頭を撫でるほどに愛しく可愛い子供の姿が重なり付けられたのでしょう。原産地は日本や中国で、高さ20〜80cm位まで成長します。6〜9月に赤やピンク、白の花が川原やあぜ道など日当たりのよいところに咲きます。生薬名を瞿麦子(くばくし)と言い、むくみの時の利尿や、生理不順に効果があります。古風でしとやかな女性を「ヤマトナデシコ」と言いますが、これは中国から入ってきたナデシコと、日本(大和)産のものを区別するために呼ばれた名です。当時の日本女性の控え目な美しさ、奥ゆかしさがナデシコと似ていたのでしょう。万葉の歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)はナデシコを秋の七草に数えました。今でもナデシコは秋の七草の一つです。これから夏を過ぎ、初秋を感じる9月まで咲き誇ります。ナデシコの花を庭先に植えて、山上憶良になったつもりで一句詠んでみてはいかがでしょう。 |
| シオン 8月号/vol.26 |
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薬用部:根 用途:せき止め・去痰 原産地:中国・朝鮮半島
晩夏から初秋にかけて、可憐に咲く花、シオン。この名は、中国名である"ジワン"がなまり、日本では「シオン」と名付けられました。原産地は中国・朝鮮半島で、高さ1〜2m位まで成長します。9〜10月に薄紫色の花が咲き、放射状に伸びた花びらが星の形を思わせます。生薬名を紫苑(しおん)と言い、根にせき止めや痰を取り去る効果があります。 「紫苑咲き 静かなる日の 過ぎやすし」 この句は、俳人の水原秋桜子(みずはらしゅうおうし)の作で、穏やかな秋の一日がやさしく詠まれています。薄紫の花が風に揺れ、ゆったりと時間が過ぎていく風景が目に浮かんできます。当館に隣接の薬木薬草園でもシオンが咲いています。ゆらゆら優しく揺れるシオンが涼しさとくつろぎの一時を運んでくれるでしょう。もしシオンを摘んだ時には、水揚げがやや悪いので、下葉を取り除き、切り口を焼いてしっかりと水を吸わせてから生けてくださいね。 |
| スベリヒユ 9月号/vol.27 |
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薬用部:全草 用途:利尿 原産地:ヨーロッパ スベリヒユはハーブの一種で、「パースレイン」と呼ばれています。和名は株全体が多肉質で、踏んだりするとヌルッとすることから名付けられました。原産地はヨーロッパ、草丈10〜30cm位まで成長します。7〜9月に小さな黄色の花が陽の光を受けて開き、夕方になると閉じてしまいます。 全草が利尿に効果があり、生の葉はサラダに、茎はピクルスに利用することができます。若い葉には多少のぬめりとピリッとした風味があります。食用となることすら知られていない場合が多いのですが、フランスでは野菜として栽培されています。ひとつの実の中に入っている種の数は多く、日当たりが良く暑い日が続くほど繁殖します。今年のような猛暑なら、パースレインも大繁殖しているでしょう。お庭のパースレインで困っている方は、サラダにしてみてはいかがでしょうか? |
| ハギ 10月号/vol.28 |
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薬用部:根 用途:婦人のめまい・のぼせ 原産地:日本・中国・朝鮮 ハギといえばヤマハギのことをさします。これは、万葉の時代より変わりありません。"秋の草"との意味から当てられた「萩」という字は日本人によって作られました。芽子・波疑・波義の字で、ハギと読ませていた時もあったようです。とはいえ、ヤマハギは落葉の小低木です。原産地は日本や中国、朝鮮で、高さ2m位まで成長します。8〜9月に明るい紅紫色の花が咲き、根は婦人のめまいや、のぼせに効果があります。 また、ハギは秋の七草の一つとされ、万葉集にも多く詠われました。その時代、ハギが人々に愛されていたことがうかがえます。やぶのように叢生する地上の茎は太さがよく揃っています。秋の終わりに刈りとって、垣根や屋根の材料にしたり、皮を剥いで「萩すだれ」としたり。 秋の風物詩の「十五夜」。だんごや果物と共にハギやススキを供え、お月様を眺めてみましょう。 |
| コナラ 11月号/vol.29 |
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薬用部:樹皮・葉 用途:収斂・消炎・鼻血 分布:日本・中国・朝鮮半島 「コナラ」という名の由来は、定かではありません。佐賀の方言では「ナラ」と呼ばれ、広くは「ドングリ」と呼ばれています。日本や中国、朝鮮半島に分布しており、高さ10〜20mにまで成長します。6月の新葉の時期と同じ頃に、淡黄色の花が垂れ下がって咲き、この樹の皮や葉には鼻血を抑える効果があります。幹の材木の部分はシイタケ栽培の原木や建築材として、樹皮は染料やインクの製造原料として用いられ、コナラはクヌギとともに代表的な雑木のひとつです。クヌギの幹は直立するのに対し、コナラは曲がり、枝分かれするので簡単に区別できます。10月には果実を結びます。大きさはさまざまでも果実の高さがほとんど等しいことから、比べたものがほとんど似たような値のとき、「ドングリの背い比べ」といいます。家の中でゲームばかりしている子供たちは、コナラの実を探して自然と遊んでみるのも楽しいですよ。 |
| キンカン 12月号/vol.30 |
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薬用部:果実 用途:せき止め・風邪 原産:中国 中国原産で、日本には江戸時代以前に伝わりました。「キンカン」という名前は、中国名である“金柑”の音読みからきています。高さ2〜3m位まで成長し、8月頃に白色の花が咲きます。10月頃から小さなミカンのような緑色の果実を結び始め、黄色に熟したら食べ頃です。果実は11〜4月頃まで実ります。果実にビタミンCが多く含まれており、皮の方は甘く、果肉に酸味があるバランスのよい果実です。よく熟したものを、皮つきのまま砂糖漬けや砂糖煮にしたものはせき止めや風邪に、キンカン酒は疲労回復に効果があります。普通、キンカンと呼んでいるものはナガキンカンで、果実が丸みをおびていて短く鋭いトゲがあるものをマルキンカンと呼びます。寒さに強く、栽培しやすい、丸ごと食べられて美味しいキンカンだから、古くから親しまれてきたのでしょう。風邪をひいてせきが止まらない方や、体が疲れるなぁと感じる方はキンカンから元気を分けてもらいましょう! |