2003年 薬木薬草園通信

1月号(vol.7)オレガノ2月号(vol.8)アロエベラ3月号(vol.9)アスパラガス4月号(vol.10)ソメイヨシノ
5月号(vol.11)スイートバイオレット6月号(vol.12)ニゲラ7月号(vol.13)キキョウ8月号(vol.14)ターメリック
9月号(vol.15)パセリ10月号(vol.16)ツワブキ11月号(vol.17)スイセン12月号(vol.18)ツバキ
オレガノ 1月号/vol.7
薬用部:花・葉 用途:頭痛・生理痛の緩和 原産地:ヨーロッパ・西アジア
原産地はヨーロッパ・西アジアで、高さ40〜70cmに成長します。6月〜8月に茎の先の方にピンクの小さな花が集まって咲きます。「オレガノ」はギリシャ神話で、愛と美の女神ビーナスが海の水から作り出したとされます。太陽をたくさん浴びるようにと、一番高い山に植えられた植物と伝えられており、古くから栽培されていたハーブです。名前は、ギリシャ語で「山の喜び」という意味を持ちます。和名をハナハッカ(花薄荷)というように、ミントに似た香りと辛味があります。
ギリシャでは婚礼の時、新郎新婦がオレガノを冠にしてかぶったもので、また、死後の幸福な生活を保障するため、墓地に植えられたそうです。オレガノの葉のハーブティーには、強壮作用や頭痛、生理痛を緩和する効果があります。また、ギリシャ料理・イタリア料理にも使われ、ギリシャでは肉や魚の網焼きの時に使用されます。イタリアでは調味用のハーブのうち最も普及している一種で、葉にピリッとした辛みがあり、ピザ・パスタ・トマト・肉・卵・チーズ料理などに使用されます。一度オレガノを使った料理にチャレンジしてみましょう!
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アロエベラ 2月号/vol.8
薬用部:葉 用途:切り傷・やけど・便秘 原産地:南アフリカ
「アロエ・ベラ」は南アフリカ原産の薬用アロエの一種です。主に西インド諸島で栽培され、高さ1mくらいに成長します。水分を多く含む肉厚の葉はタンポポのように地面に放射状に広がり、縁にはトゲを持っています。葉は大きくなると灰色がかり、1〜2月には黄色かオレンジ色の花を咲かせます。薬用としての効果は2つ。葉に含まれる透明のゼリーは傷や、やけどに作用し、傷の治りを速め、感染を防ぐ効果を持っています。西洋では1950年代にやけど、特に放射線熱傷に効果があることが発見されました。そして、もう1つ。葉の茎部から取れる黄色い液体が、便秘に効果があります。 アロエ・ベラは皮膚のローションとして長い歴史があり、クレオパトラが美容のために用いていたとも言われています。家庭に常備し、やけどなどの応急処置に使ってみてはいかがでしょうか?
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アスパラガス 3月号/vol.9
薬用部:茎・根 用途:利尿・緩下作用 原産地:ヨーロッパ
「アスパラガス」は春の野菜です。原産国はヨーロッパで、日本には1781年に渡来してきました。細い葉をたくさんつけ、直立した茎が高さ1〜3mくらいに成長します。夏になると緑がかった小さな花が咲き、やがて丸く赤い実をつけます。おもに北海道や長野県で栽培されていますが、生産量は鳥栖市(佐賀県)が日本一です。鳥栖市やとなり町の基山町でアスパラガス作りが始まったのは1970年(昭和45年)からで、近年では、「アスパラワイン」という商品まで生まれました。春になると、多肉質の太い若芽がでます。この太い若芽が、野菜として私達が普段食べている部分です。茹でたり、バターで炒めて食べるとおいしいです。採りたてのものは、みずみずしく甘い味がします。茎の生汁には利尿、緩下作用があります。トマトと混植すると、ネマトーダ(線虫)などの害から守ります。他にも、バジル・トマトとの3種の混種はお互いを元気にします。この春はアスパラガスを食べて、元気を分けてもらいましょう!
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ソメイヨシノ 4月号/vol.10
薬用部:樹皮 用途:鎮咳・去痰 原産地:日本
「ソメイヨシノ」という名前は、明治初期に染井村(現在の東京都豊島区)の植木屋が売り出した事から名付けられ、1900年に藤野寄命により命名されました。原産地は日本で、高さ7m位まで成長します。ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガン(ヒガンザクラ)の雑種です。花は淡い紅色や白色で、4月上旬、葉の出る前に木を覆うように咲き、花が満開になる様子は華やかで美しく、その右に出るものはないほどです。サクラの名所のほとんどにはソメイヨシノが植えられており、名実ともにサクラの代名詞となっています。開花期を決めるサクラ前線はソメイヨシノが基準となっています。しかし、佳人薄命(美人は病弱で早死にしたり、運命にもてあそばれて不幸になったりすることが多い)と言われるように、春を美しく彩るソメイヨシノは害虫がつきやすく、命が短いのが欠点です。薬用となるのは6〜8月の樹皮で、はがして日干しにしたものを用います。咳を鎮めたり、痰を取り去る効果があります。薬効は無いのですが、花は塩漬けにして桜湯に、葉も塩漬けにして桜餅に使われます。華やぐサクラの樹の下で、桜湯を飲みながら春を感じてみてはいかがでしょうか?
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スイートバイオレット 5月号/vol.11
薬用部:花・葉 用途:利尿作用・去痰 原産地:ヨーロッパ
「スイートバイオレット」の和名を「ニオイスミレ」といいます。「ニオイスミレ」という名前の由来は、花の香りが強いことから名付けられました。とても甘く優しい香りがします。原産地はヨーロッパで、草丈20cm位まで成長します。葉はハート形をしており、花はスミレ色や白色、桃色の可憐な花を咲かせるとてもかわいらしい植物です。3〜4月に花が咲き、一重咲きのほか八重咲きもあります。近い種類に、花びらが黄・白・紫の3色からなるハートシーズがあります。薬用となるのは花と葉で、利尿作用や痰を取り去る効果があります。花と葉は香水の原料としても使われています。また、花の砂糖漬けはお菓子などの飾りにもなります。腐葉土のふとんをかぶって過ごした長い冬から解放されたスイートバイオレットによって野や森は華やぎ、喜びにあふれます。野道や樹々の中を散歩しながらこの喜びを肌で感じてみてはいかがでしょうか。
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ニゲラ 6月号/vol.12
薬用部:花・種子 用途:消化 原産地:ヨーロッパ・地中海沿岸
「ニゲラ」という名前は、ラテン語のniger(黒い)から名付けられました。原産地はヨーロッパ・地中海沿岸で、高さ30〜50cm位まで成長します。6〜7月に青色や白色、桃色の花を咲かせますが、花びらに見えるのは実は萼片(がくへん)です。開花後、風船のようにふくらんだ果実はドライフラワーとして利用できます。その中にゴマのような黒い種ができるので、日本では「クロタネソウ」と呼ばれます。黒く熟した種をつぶすとフルーツの香りがします。インドでは香辛料とされ、ドイツでは魔よけの効果があるとしてパン生地に混ぜて食べていたそうです。しかし、種は有毒なので、専門員の処方なしに噛んだり食べたりしないように!使用量を間違わなければ消化を助ける効果があります。まるで夢の中に咲いたような姿から、英名で「ラブインアミスト(霧の中の恋人)」とよばれているニゲラ。幻想的なその名の通り、ミステリアスな雰囲気漂う魅力的な花です。
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キキョウ 7月号/vol.13
薬用部:根 用途:風邪・去痰
春の七草は寒い季節の食べものであるのに対し、秋の七草は観賞ものが多いです。哀愁を感じさせてまことに美しい「桔梗(キキョウ)」は秋の七草のひとつで、日本・中国・朝鮮半島に分布しています。高さは50cm〜1m位まで成長し、葉や茎に傷をつけると切り口から白い乳液が出てきます。7月〜9月までと開花期が長く、青紫色、ときに白色の花を咲かせ私たちの目を楽しませてくれます。日本では古くから桔梗の花の華麗さを歌に詠んだり、文学や美術に取り上げてきました。観賞よりも薬用として重要視されている中国からは、漢方としての利用法が伝わってきました。朝鮮では根を漬け物や山菜として食します。日本でも、春の若芽をおひたしや和えものにして食べています。冬に採った桔梗の根は、痰をとり去る効果があります。根の皮をはいで、刻み、日に乾かしたものを煎じて飲みます。これから、見頃をむかえる桔梗の花を薬木薬草園でのんびりとご覧下さい。
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ターメリック 8月号/vol.14
薬用部:根茎 用途:血行促進・食欲増進 原産地:東南アジア
「ターメリック」の和名は「ウコン」です。みなさんには「ウコン」の方がなじみがあるでしょう。原産地は東南アジアで、日本では、沖縄で多く栽培されています。高さは1m〜1.5mまで成長し、9月〜10月に白から淡い黄色、わずかに桃紫色がまじったランのような大きな花が咲きます。甘く強い香りがします。1つ1つの花の命は短く、日中咲いて、日暮れにはしぼんでしまいますが、次々に蕾が現れて10日ほど咲き続けます。ウコンの根茎は、ゆでたり蒸したりしてから乾燥させます。血行促進や食欲増進に効果があります。日本では、ほとんど粉末で売られており、みなさんがよく知る食品にも使われています。カレー粉の黄色、あれはウコンの色です。インド料理やエスニック料理の明るい黄色とスパイシーな風味に欠かせない植物です。また、染料としても使われ、オレンジ色や黄色に染めあげます。これからが夏本番ですね。夏バテで食欲のない方は、ウコンを飲んで暑い夏を乗り切りましょう!!
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パセリ 9月号/vol.15
薬用部:葉・根・種子 用途:利尿作用・貧血 原産地:地中海沿岸地方
「パセリ」の名前は、英名のparsley(パースレー)が変化して名付けられました。原産地は地中海沿岸地方で、高さ30〜60cm位まで成長します。9〜10月ごろ、小さな緑黄色の花をたくさん咲かせます。古代ギリシャ・ローマ時代から薬用として利用され、日本には江戸時代に渡来したといわれています。日本では、パセリがハーブだということがあまり知られていません。パセリには、オレンジの4倍ものビタミンCが含まれており、ビタミンaや鉄やカルシウムなどのミネラルも豊富です。パセリの青汁を飲むと貧血に効果があり、生の葉をもんで患部にすり込むように塗ると、虫刺されによいです。新鮮な葉は、肉や野菜料理の飾りに使ったり、ニンニク料理のつけ合わせに多く使われます。息を甘くする効果があったり、ニンニクのにおいを隠すという珍しい特徴があるからです。女性はどうしても鉄分が不足しがちです。不足している鉄分をパセリで補いましょう!
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ツワブキ 11月号/vol.16
薬用部:葉・根茎 用途:健胃・魚の中毒
「ツワブキ」は、葉の表面につやがありフキの葉に似ていることから、"艶ブキ"と名付けられました。その名の通り、フキによく似ています。また、厚葉ぶきの「あ」が省略されて、この名があるともいわれています。本州・四国・九州に分布しており、高さ50〜60cm位まで成長します。10〜11月ごろ、黄色の花を咲かせ、ハート形の葉が特徴です。葉は打撲や切り傷に、根茎は食あたりや下痢止めに用いることが出来ます。庭の片隅に植えておけば、なにかと重宝するでしょう。10月頃までに根茎を掘り上げ、泥をきれいに洗い落として、刻んで乾燥させたものを「タクゴ」と言います。これは生薬名で、九州ではツワブキの葉(タクゴ葉)の粉末と、「ガジュツ」の粉末をブレンドした胃腸薬があります。ツワブキの葉の持つ抗菌作用と胃の働きを調えるガジュツの相乗効果を期待したものと言えるでしょう。花の少なくなる殺風景なこの時期に、華やいだ彩りのツワブキ。季節移りゆく秋の庭が寂しいと感じるあなた、ツワブキを植えてみてはいかがでしょうか☆
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スイセン 2月号/vol.17
薬用部:鱗茎 用途:肩こり・はれもの 原産地:スペイン・ポルトガル
「スイセン」という和名は、中国で「水仙」と当てられた漢字が日本読みにされたものです。中国では水の近くに多く生息したこの植物を「水の仙人」のように思ったことから「水仙」の名を与えました。原産地はスペイン・ポルトガルで、高さ20〜40cm位まで成長します。10〜4月ごろ、白色や黄色の花を咲かせます。生の鱗茎は肩こりや腫れものに効き、外用としては利用できますが、有毒なので内服はできません。スイセンの花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」です。この花言葉は、ギリシャ神話より生まれたものです。青年ナルキッソスは、その美貌から、乙女たちの心をとりこにしました。でも、自分からは決して人を愛そうとしません。その冷たい態度は、森のニンフ、エコーが仕事ができなくなるほど彼を愛した時も変わりませんでした。復讐の女神ネメシスは怒り、「人を愛せない者は自分自身を愛すればいい」と呪いをかけました。ナルキソッスは水面に映った自分の姿に恋をし、その恋の苦しみで食事も喉を通らなくなり、やせ細って1本のスイセンになったといわれます。花言葉から受ける印象とは異なり、その姿は清楚で花束にすると可愛らしい花です。
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ツバキ 12月号/vol.18
薬用部:葉・花・種子 用途:滋養・強壮 原産地:日本・中国
 「ツバキ」の名前は、葉に艶があるから「艶葉木(つやはき)」と名付けられたとの説と、葉が厚いので「厚葉(あつき)」と呼ばれた名が変化したとの説があります。原産地は日本、中国で、高さ5〜8m位まで成長します。12〜4月ごろに赤や白、ピンクの花を咲かせます。花言葉は、赤がひかえめな美徳、白は最高の愛らしさです。真紅の花の花言葉が"ひかえめ"と表現されるのは、とても艶やかな赤色でありながら、花には香りがないからです。乾燥した花を刻み、健康茶として飲むと、滋養・強壮に効果があります。ツバキは散る時に、ポトリと首を落とすように花が落ちます。その様子は、縁起が悪く見えるので、お見舞いや新築祝いなどには向かない花と言えるでしょう。ツバキは英名で「カメリア」と言います。有名ブランドシャネルでよく見る花の形をしたブローチの名前もカメリアです。デザイナーはツバキの花が好きなのかもしれませんね。
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