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ご監修:ふくしま子ども・女性医療支援センター センター長 水沼 英樹 先生 (日本女性医学学会 理事長)

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更年期チェック

更年期に現れやすい4つの症状

牧田和也先生(右)牧田産婦人科医院 院長 寺内公一先生(左)東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科女性健康医学講座 教授

「関節痛」・「頭痛」・「尿もれ・性交痛」・「閉経後骨粗しょう症」の4つの各症状について、牧田先生と寺内先生のご対談の内容をご覧いただけます。

  • 関節痛
  • 頭痛
  • 尿もれ・性交痛
  • 閉経後骨粗しょう症

関節痛 更年期に、患者さんが訴える症状の中には、直接的にエストロゲン分泌量に関係があるかどうかがはっきりしないものがあります。その一つが「関節痛」です。関節痛を伴う代表的な疾患として知られているのは、「変形性関節症」と「関節リウマチ」ですが、この二つ以外で見られる更年期特有の関節痛とはどのようなものでしょうか。

関節痛もエストロゲン低下が一因

寺内患者さんが訴える症状がエストロゲン低下に関係しているのかどうか、はっきりしないことが多いのですが、更年期には、関節などに不調を感じて辛い思いをしている人がたくさんいます。

牧田手足のこわばりや関節痛で婦人科を受診する人は少なくないですね。整形外科でリウマチを否定され鎮痛薬を処方されても治癒せず、その他さまざまな科を受診してもどうしても痛みが取り除けなかった患者さんがいます。そのような患者さんに、婦人科で更年期障害の治療としてホルモン補充療法(HRT)を行うと、痛みが軽減することもあります。

寺内コラーゲンは、関節の表面を覆っている軟骨を構成するたんぱく質で、すり減ると痛みや腫れなどの症状を起こします。コラーゲンの合成にはエストロゲンが関係することが知られています。詳しいメカニズムは分かっていないのですが、関節をスムーズに動かすにはエストロゲンの十分な分泌が必要となる一方、更年期に入ってエストロゲン分泌量が急激に低下するとコラーゲン量も減少し、手足のこわばりや関節痛が起きる可能性があります。

頭痛 更年期症状の一つとして比較的よく認められるのが「頭痛」。重要なのは、その頭痛がエストロゲン分泌量の変動によるものか、緊急の対策が必要な脳疾患などの前兆であるものかを鑑別することです。

エストロゲン分泌量の変動が片頭痛の原因の一つに

寺内更年期に頭痛を訴える患者さんは非常に多いですね。

牧田頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛などの「一次性頭痛」と、くも膜下出血や脳腫瘍などの脳疾患に由来する「二次性頭痛」とに大きく分類されます。
片頭痛は30〜40歳代と比較的若い人に、緊張型頭痛はそれより高齢の人に多い傾向がありますが、中には更年期になってから片頭痛が頻発するケースも見られます。これは女性の片頭痛の要因の一つにエストロゲン分泌量の変動があるためです。若い頃に月経時に片頭痛に悩まされていたという人は、更年期で起こる片頭痛もエストロゲン分泌量の変動による可能性が高いと思います。

寺内エストロゲン低下が片頭痛を誘発するメカニズムはまだ明らかになっていませんが、エストロゲンのゆらぎが原因と考えられる更年期の片頭痛に対しては、慎重に経過を観察しながらホルモン補充療法(HRT)を行ってみてもよいのではないかと思います。

牧田片頭痛と緊張型頭痛では治療法が異なるため、両者の鑑別が重要です。頭痛が気になるときは、その頭痛がいつ頃から認められたのか、生理周期と関係があったかどうかなどを思い出してみてください。

激しい痛みや意識障害があれば神経内科・脳神経外科の受診を

寺内二次性頭痛には、対処が遅れると生命に関わる重大な病気が隠れている可能性もあり、注意が必要です。

牧田頭を鈍器で殴られたような頭痛、今までに経験したことのない激しい頭痛、意識が朦朧とするような頭痛などが起きたら、速やかに神経内科や脳神経外科を受診することをお勧めします。くも膜下出血などの脳疾患は、専門機関でMRI(磁気共鳴画像)検査やCT(コンピュータ断層撮影)検査を行わなければ発見できません。

寺内「それほど激しい頭痛ではないけれど、脳疾患も心配。婦人科と神経内科・脳神経外科のどちらを受診すればいいの?」という場合は、先に神経内科・脳神経外科を受診する方が良いでしょう。検査の結果、脳や神経に何も異常がなければ、その頭痛は更年期症状の一つと考えることもできるからです。
もちろん、最初から婦人科を受診しても良いと思います。婦人科では、エストロゲン低下を踏まえて診断し治療を進めていくことになります。

尿もれ・性交痛 「尿もれ」や「性交痛」などの泌尿生殖器系の症状があっても、「恥ずかしいから」という理由で誰にも相談できずに悩んでいませんか。どちらも更年期によく見られる症状でエストロゲン低下が深く関与しています。

エストロゲン低下は尿もれの原因の一つ

寺内エストロゲンは泌尿生殖器粘膜の増殖や機能において重要な役割を担っています。そのため、更年期に入りエストロゲンが低下することで、膀胱や尿道組織、腟の萎縮が起こり、尿もれ、頻尿、腟の乾燥感、外陰部の痒み、性交痛などの症状が出現します。
尿もれには、咳やくしゃみと同時に尿がもれる「腹圧性尿失禁」、我慢できない突然の尿意とともに尿がもれる「切迫性尿失禁」、両者が混在する「混合性尿失禁」があります。
腹圧性尿失禁の予防・改善には骨盤底筋群を強化するトレーニングが有効です。一方、切迫性尿失禁はエストロゲン低下との関わりが深い「過活動膀胱」の一病態であることから、ホルモン補充療法(HRT)を考慮する場合もあります。

牧田実際には過活動膀胱の治療目的のみではなく、それ以外の更年期症状も踏まえた上でHRTを行うケースが多いですね。また、過活動膀胱の症状によっては、泌尿器科専門医と連携した治療も必要になります。

萎縮性腟炎に伴う性交痛はパートナーとの関係にも影響

牧田更年期には腟の萎縮に加え、腟内の乳酸桿菌が減少して腟内pHが上昇、細菌叢が変化することで腟炎が起こりやすくなります。
「萎縮性腟炎」の治療には、通常、エストロゲン腟錠による局所療法が勧められますが、腟錠の使用が難しい場合には貼り薬や飲み薬を用いたHRTも考慮します。また、性交痛の原因の多くは性交時の腟の潤い不足ですので、その対症療法としては潤滑ゼリーが有効です。
40、50歳代になると萎縮性腟炎に伴う性交痛や腟の乾燥感が原因で性行為に抵抗を感じるケースも少なくありません。性の悩みは人に相談しにくいものですが、パートナーとの関係を大切にするためにも婦人科で相談することをお勧めします。

寺内エストロゲン低下により、外陰部の皮膚が乾燥して敏感になるため、痒みが出やすくなります。ただ、皮膚の萎縮だけでなく、悪性疾患が潜んでいる可能性もありますので、気になる症状があったら、放置せずに婦人科を受診してほしいですね。

閉経後骨粗しょう症 エストロゲン分泌量の変動は、女性の身体にさまざまな影響を与えますが、閉経後に発症する「骨粗しょう症」も、エストロゲン低下が原因の一つです。

閉経後骨粗しょう症による骨量低下はエストロゲン低下と関係

牧田女性の一生における骨量の変化は、エストロゲン分泌量の変動と比例していると言われています。エストロゲン分泌は、思春期を迎えると増加して性成熟期にピークに達し、しばらく維持されますが、更年期になると減少します。骨量は、思春期に急激に増加して20歳頃にピークを迎え、閉経前後から急速に低下します。

寺内骨には骨を生成する骨芽細胞と古くなった骨を破壊(吸収)する破骨細胞が存在し、エストロゲンは間接的に破骨細胞の働きを抑えています。そのため、閉経によりエストロゲン低下が起こると、破骨細胞が活性化して、骨を作るスピードよりも骨を破壊するスピードが勝るために骨量が低下し、骨粗しょう症のリスクが高くなります。

骨粗しょう症の治療は年齢や症状に応じて治療法を選択

牧田急激に低下したエストロゲン分泌量を補うためのホルモン補充療法(HRT)は更年期障害の治療法の一つですが、骨粗しょう症の治療法でもあります。骨量が正常範囲にあっても、HRTを行うことにより骨量は増加します。婦人科における閉経後骨粗しょう症の治療では、70〜80歳代での骨折予防を目指しています。

寺内骨折を予防するには、まず骨粗しょう症を予防することが必要です。予防には、骨粗しょう症のリスク因子をなるべく減らす一次予防と、骨量の減少を早期に発見して適切な指導と治療を行う二次予防があります。
一次予防では、必要な栄養素を含む食品を摂取して継続的な運動を行うとともに、喫煙や過度の飲酒を控えるよう指導します。
二次予防では、65歳以上の女性、あるいは65歳未満でも骨粗しょう症のリスク因子を持つ女性の骨密度測定を行い、早期診断に努めます。
長期の第2度無月経や早発卵巣不全、また閉経前の両側卵巣切除例には注意が必要です。これらの女性にはHRTが有効です。閉経後女性に対するHRTの骨折予防効果は年齢によらないことが知られていますが、一方で閉経後長期間が経過してからのHRTはリスクがベネフィットを上回るとされています。そのために60歳以上、または閉経後10年以上経過してから初めて骨粗しょう症の治療を行う場合にHRTを選択することは少なく、病態に応じて他の治療薬を使用します。

牧田もちろん、症状によっては60歳以降もHRTを継続することもあります。たとえば、更年期障害の治療のためにHRTを行っていて、いったん60歳でHRTを終了したのですが、更年期症状が消失せず体調が悪化した患者さんにはHRTを継続する、ということもあります。

寺内更年期障害治療のために閉経前後にHRTを開始し、骨粗しょう症のリスク軽減につながれば、理想的ですね。

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