CSR活動 2018

特集

グローバルCSRを考える。

アメリカでの企業活動

久光製薬の企業使命である「貼付剤による治療文化を世界へ」を世界最大のマーケットである米国でも進めるため、1987年に久光アメリカを設立、2009年には医療用医薬品領域においても展開を図るべく、ノーベン ファーマシューティカルスを子会社に加え、確たる実績を築いてきました。

ヒサミツ アメリカ インコーポレイテッド -久光アメリカ-
ヒサミツ アメリカ インコーポレイテッド

ヒサミツアメリカインコーポレイテッドは1987年に設立し、久光製薬の一般用医薬品を北米で販売する事業を展開しています。ニュージャージー州フローラムパークに本社を構え、全米とカナダでの医薬品販売をカバーしています。2017年の売上では、米国の一般用医薬品外用鎮痛消炎貼付剤市場において、販売額シェア1位を獲得するなど、「貼付剤による治療文化を世界へ」という企業使命を確実に遂行しています。社員は14名で、営業、マーケティング、経営管理部門からなり、内4名が女性で多様なスタッフで構成されています。

ノーベン ファーマシューティカルス -NOVEN-
ノーベン ファーマシューティカルス

1987年に設立したノーベン ファーマシューティカルスは、貼付剤の研究開発を通じて、主に女性の健康および中枢神経系(CNS)障害(ADHDを含む)の分野に焦点を当てた医療用貼付剤を販売し、医療ニーズに応えてきました。2009年に久光製薬の子会社となり、貼付剤に関わるグローバルな展開の一翼をになっています。従業員は334名(2017年12月末)、フロリダ州マイアミにあり、米国DEA(医薬品執行機関)によって規制物質の製造承認を受け、FDAに認可された工場を持ち、年間数千万枚の貼付剤を生産しています。ニュージャージー州ジャージーシティには、臨床、開発、マーケティングなどを担当する事務所があり、貼付剤の承認、普及に向けた活動を行っています。

ステークホルダー・ダイアログ
John Incledon

米国社会における医薬品課題解決への参画

久光アメリカのCEOであるJohn Incledonは、米国のOTCメーカーの業界団体であるCHPA(Consumer Healthcare Products Association)の役員も務め、積極的に米国における社会課題の解決に努めています。
2018年7月、CHPAの役員、John F. GayさんとAnita Brikmanさんに参加いただき、米国における医薬品を巡る課題について、お話を伺いました。

参加者

CHPA 上級副代表/John F.Gay
CHPA 上級副代表/Anita Brikman
久光アメリカ 社長/John Incledon

John Incledon:本日は、参加いただきありがとうございます。現在のCHPAの課題感や取り組みは、米国にとどまらず、日本、ひいては世界中においても必要とされるものと考えています。

John F.Gay:最初に私たちが今取り組んでいることをご紹介します。課題の主要なポイントは「購入された後の薬が適切に扱われているか?」という事です。適切な使用以外での副作用や使用されなかった薬、期限切れの薬が適切に扱われず、子どもや環境に悪影響を与えることが、米国では大きな問題になってきています。

Anita Brikman:CHPAでは、これらの課題に対してCHPA教育財団(CHPA EducationalFoundation)を設立し、冊子配布等の啓発や教育、メディアでの周知等を行ってきました。これまでは、8割の親が適切ではない薬の処方を子どもに対して行っていたり、年間6万人の子どもが緊急施設で処置がされていたり、6割の人が薬の廃棄方法を知らなかったりといった状況が、大きく改善されてきています。

John Incledon:日本でも同様の課題はあると聞いていますが、このような取り組みは積極的にはなされていないようです。今後米国以外でもこういった取り組みは進むと思われますが、推進するときのポイントは何になると考えますか?

John F.Gay:まずは、現状をしっかりと把握することが重要だと思います。実際に何が起きているのか?その影響下においてどんな課題が発生しているのか?といったことです。
それらが明らかになることで、自分たちが何をすべきか?が明確になると思います。
また、行政との連携も重要です。米国での私たちの活動においても、当初はほとんどなかった州全体の活動や不要な薬の回収方法が、今では制度として成り立つようになりました。

Anita Brikman:具体的な取り組みの重要なポイントは、市民一人ひとりが薬のことをあまり理解していないという事です。これは、私たち製薬企業の責任でもあります。
薬に対する理解を広めるためには、多様な方法でアプローチできるチャネルを用意することが重要になります。市民一人ひとりが「improving Safe Self-Care」の意識を持てるように働きかける必要があります。世界中で高齢化が課題となっていますが、私たち製薬企業がこのような取り組みをすることですべての人々のQOL向上に寄与するものと考えています。

John Incledon:CHPAの取り組みは、まだ始まって間もないですが、確実な成果が上がっています。CHPAのベストプラクティスを世界中で展開することは、SDGsの目標にもつながり、日本でも多くの課題を解決するヒントになると考えられます。久光アメリカの米国での取り組みを久光グループとしても広げていきたいと考えています。

久光アメリカ ヒサミツ アメリカ インコーポレイテッド

【会社概要】
会社名:ヒサミツ アメリカ インコーポレイテッド
President&CEO:John Incledon
所在地:100 Campus Dr.,Suite117, Florham Park,New Jersey 07932,U.S.A.

久光アメリカのミッション(社会的使命)は、当社の企業使命である「貼付剤による治療文化を世界へ」を米国で広めていくことです。ここ数年、一般用医薬品外用鎮痛消炎貼付剤市場での全米シェア1位を獲得していますが、飲み薬が一般的な米国においては、今後も引き続き周知、啓発を進めることが必要です。また、米国における社会課題に対しても真摯に取り組むことで、当社のプレゼンスを確実なものにしていきます。

パッチテクノロジーへの理解浸透

CEOのJohn Incledonは、「米国では貼付剤の文化がもともとなく、薬=飲み薬といった観念が強く、貼り薬を理解してもらうのに苦労しています」と話し、商品サンプリング、SNSによるインフルエンサーからの発信、マスメディアを利用した宣伝などマルチチャネルによる取り組みを進めています。
また、他社のベストプラクティスや久光製薬グループにおける各国での経験も活かすことで、パッチテクノロジーの可能性を広げています。

多様性への配慮

少数精鋭の久光アメリカは、人種・性別など多様な人材が働いています。労働環境の整備、福利厚生制度など米国や州の法規制を踏まえて柔軟な対応が図れるようにしています。
Akiko ChanとKozue Longは「子どもに手がかかる時期ですが、休暇休業などの制度とみんなの理解もあり、働きやすい職場です」と満足している様子を話してくれました。

環境保護への理解浸透

久光アメリカでは製造を行っていないため、大きな環境負荷は与えていません。一方、地球規模の気候変動の影響に対して、真摯に考える必要があると思っています。「ここ、ニュージャージーでも厳しい冬の寒さなど、異常なことが起きている気がします」と話してくれたのはAndrea Washington。William Hendersonは「ソーラーパネルも多く見るようになり、私も車をハイブリッドに替えました」と話します。
事業活動との直接的な影響は見えづらいものの、企業としても温室効果ガスの排出などに真剣に取り組む必要があると考えています。

社会貢献活動への理解浸透

米国では、ボランティアが社会に根付いています。久光アメリカでも「サロンパス®デー」を通じてボランティア活動に取り組むとともに、従業員一人ひとりも、社会課題を認識しつつさまざまな活動をしています。「犬の保護活動を通じて、社会のゆがみも感じています。QOLの本質を考えるのにも役立っています」と語るのはJune Nishizawa。Mike Wesnofskeは、「地域スポーツのコーチやフードバンクのデリバリーを通じて、多様性やチームプレーの大切さなど、ビジネス上でも学べるものが多い」と話します。

NOVEN ノーベン ファーマシューティカルス

【会社概要】
会社名:ノーベン ファーマシューティカルス
President&CEO:Jeff Mihm
所在地:11960 SW 144th Street Miami,Florida 33186,U.S.A.

ノーベンは、創業以来、貼付剤技術を活用し、人々のQOL向上に寄与してきました。2009年に当社の子会社となって以降は、両社でTDDS技術をさらに深め、より安全で有効性の高い製品の開発と供給に努めています。

企業理念の浸透

 「2016年にCEOに就任して以来、ノーベンのミッションを一人ひとりに浸透させることが重要であると考えてきました」とCEOのJeff Mihmは話します。ミッションを果たすために、ノーベンは医療関係者、患者さん、パートナーおよびアメリカの医療制度の中で重要な役割を果たしている保険会社からの確固たる評価を得られるよう努めています。また、会社を先導すると同時に、Jeff Mihmはモチベーションや団結力の向上と組織全体のニーズを理解するため、全従業員と四半期ごとのタウンミーティングを開き、社員との交流に多くの時間をかけています。

イノベーション

ノーベンでは、患者さんの健康をサポートし、アンメットニーズを満たす革新的な貼付剤の開発を行っています。患者さんや介護者、家族にとって重要な価値を生み出すため、「イノベーションゲートウェイ」システム(一連のプロセスを可視化し各ステップで効率的かつ確実な成果を得るための仕組み)を構築し、事業運営のなかに適切に取り込むことで、研究開発から製造、マーケティングに至るまで統合的な仕組みを確立しています。
研究開発担当のRalph Lippと新商品担当のJorge Lorenzoは、「“患者さん中心”というノーベンの基本的な考え方をあらゆる段階で考え、さまざまな状況に対しどのように実践していくかを考えることで、一人ひとりの業務に関連させることができる」とその効用を話します。
ノーベンでは、今後数年間で統合失調症やADHD、変形性関節症の患者さんのために新しい貼付剤を市場に展開する計画があります。このような取り組みは医薬品業界では前例のないことですが、これらを実現させるため、全従業員が連携を図りながら事業を行っています。

適切な業務運営

設備・施設のメンテナンス、労働安全、サプライチェーンマネージメントなどの「イノベーションゲートウェイ」システムでのマネジメントを現場レベルで確実に運用することも重要です。「私たちはサプライヤーへ、技術、環境パフォーマンス報告書およびその他の要請も踏まえた購買方針を提示し、予防の観点を取り入れた労働安全対策を実施しています。将来的には久光製薬本社とも連携し、これらの活動をさらに強化させていきたい」とAmaury Gonzalez(エンジニアリング担当)は話します。また、「この業界においては、法規制の動きも激しく、連邦法と州法の関連もあるため、久光製薬本社と連携して確実な対応を図っている」と話すのは企業法務担当のMichael Greeneとコンプライアンス担当のElysa Mantel。社内啓発・教育など外部の専門家の意見を組み込んだ教育訓練も実施しています。

社会とのエンゲージメント

企業使命の実現のためには、製品を通じた取り組みだけではなく、地域社会のために貢献し、企業市民としての責任を果たすよう努めなくてはなりません。
ノーベンでは、ユナイテッドウェイや赤十字社などの慈善団体に対する支援をはじめ、障がい者の雇用や従業員が主導して行う発展途上国でのボランティアなど、地域の枠組みを越えた取り組みを行っています。さらに、資源を節約することで次世代へ繋がる環境づくりに取り組んでいます。
「気候変動や次世代教育など広範囲で積極的な取り組みを進めることで、人々のQOLの向上に繋がっていくと考えています」と総務担当のMonica Laraは語ってくれました。

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