久光インドネシアは、1975年にインドネシアのシドアルジョに工場を設立し、今年で42周年を迎えました。いまでは、日本と同様に貼付剤といえば「サロンパス®」というほど国民によく知られた商品となっています。
2015年の新工場稼働により生産能力が倍増、インドネシアはもとより東南アジア各地に商品を輸出しています。
久光インドネシア(HIC)は、インドネシア第二の都市であるスラバヤ近郊のシドアルジョに工場と本社機能を持ち、首都ジャカルタには営業本部、その他主要都市10カ所に支店を持っています。
従業員は約300名で、日本から派遣しているHIC代表と生産本部長の2名以外は、工場長をはじめ現地従業員を採用しています。
久光インドネシア:PT. Hisamitsu Pharma Indonesia
シドアルジョ工場は1975年の創業以来拡張を続け、現在は2004年にリニューアルした第1工場、2015年に新設した第2工場の2工場体制となっています。医薬品を生産するための認可、廃棄物処理などの環境関連法規制、最低賃金などの雇用に関する規制など、インドネシアの関連法規制を遵守した上で、生産活動を行っています。設立当初は周辺に工場などはなく、地域の雇用先としても貢献してきました。
インドネシア国内では、サロンパス®やバイバイフィーバー®(冷却シート)などの商品を医薬品卸業者を通じ、大規模なショッピングモールや街中の小規模店舗など様々なルートで販売しています。営業社員は、各店舗の状況を把握した上で、数多くのキャンペーンを実施し、サロンパス®ブランドの認知度を高める活動を行っています。
久光インドネシアでのCSR活動をさらに向上させていくため、原材料のサプライヤーであるPT. Jutarasa Abadi社とインドネシアの政府機関であるBPOMの関係者とエンゲージメントを実施しました。
ステークホルダー・エンゲージメント:ステークホルダーの要求を理解し、自社の活動や意思決定に反映させる仕組み
参加者/
PT. Jutarasa Abadi社 Tejo Kusumaraga、Setiadi、Didik
久光インドネシア 加藤代表、廣木生産本部長、イスティック、ヤヤン、ジュリウス、アグン、アルベルト
開催日/2017年7月7日
PT. Jutarasa Abadi社は、1985年から久光インドネシアと取引を開始、インドネシアで香料などの医薬品関連の卸や農業生産販売などを手がける企業グループです。循環型経済やフェアトレード、ならびに生産者の人権などを踏まえた多くのプロジェクトも実施しており、その内容をご紹介いただきました。久光インドネシアからCSR状況などをお伝えし、様々な情報交換を通じて久光インドネシアに対しての今後の期待などを伺いました。
「歴史ある久光製薬のCSRに対する取り組みに敬意を払うとともに、CSRについて、もっと知りたいと思う意識が強くなった」という今回のエンゲージメント開催に対する感謝の意や、「インドネシアでは農業に関わる課題も少なくないことから、国内の農業、原料、製品といった連携したプロジェクトを今後一緒にできないだろうか」といった具体的な提案などをいただきました。
こうしたエンゲージメントの機会を持つのは久光インドネシアとして初めての試みでした。業務的な内容ではなく、CSRを切り口とした情報交換により、あらためて調達先のポテンシャルやインドネシアの社会的状況について知ることができ、大変勉強になりました。
参加者/
BPOM:Badan Pengawas Obat dan Makanan-Republik Indonesia(インドネシア国家食品医薬品監督庁)
Deputy of Traditional Medicine, cosmetics and complementary Product Control/Ondri Dwi Sampurno
Directorate of Traditional Drug , Food Supplement and Cosmetics/Maya Gustina Andarini
Directorate of Inspection and certification of traditional medicine, cosmetics and complementary products/Indriaty Tubagus
Head of Subdirectorate Product 1 (Traditional and Quasi Drug) /Cendikia Sri murwati
Head of Subdirectorate Surveilance of Traditional Drug , Cosmetic and Food Supplement/Kenik Sintawati.
Head of Subdirectorate Product 1 (Inspection)/Rosita
久光インドネシア 加藤代表、アユ、アウ
開催日/2017年7月10日
久光インドネシアにおける医薬品製造の事業認可などに関わるBPOMとダイアログを行い、インドネシアの医療・健康の状況などCSRに関わる一般的な概況などを伺いました。
「インドネシアは、国民の意識も含め、日常の健康や病気にならないための予防といったものへの関心が高まってきている」といった現状をお話しいただきました。久光インドネシアからはコンプライアンス上の取り組みや、CSR活動などの概要を説明し、ご理解いただきました。
普段は自社の事業を中心に考える傾向にありますが、今回BPOMとのエンゲージメントを通じて、より広い医療・健康という面から社会的課題を見直すことができました。ダイアログを通じて知った政策関係者の認識などを、今後の取り組みに活かしていきたいと思います。